小学校・中学・高校の校長先生の入学式での式次挨拶例文・文例です。保護者代表やPTA会長挨拶とは違い、学校の理念や指導方針、生活環境などを新しく入学した生徒だけではなく、保護者者を含めたご家族にも知って頂く必要があります。そのため、スピーチ時間が長くなる傾向にありますが、伝えるべきことはしっかりと伝える必要があります。入学式の校長先生の式次挨拶の例文を基本構成と一緒に文章を作成しました。
学校の理念・指導方針・生活環境などを伝える
入学式の校長先生の挨拶は「長くて堅苦しくてつまらない」というのが学生時代の印象でした。でも、今は子供を持ち、学校の役員などをして生徒や保護者の前に立って話しをするようになり、入学式での校長先生をはじめとする方々の話の内容について、生徒や保護者に伝えたい想いがあることが分かりました。でも、あまりに堅苦しい話だと親も疲れてしまうので、息抜きができる話、笑いがこぼれる話、まじめな話と強弱を付ける必要があります。
アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏がスタンフォード大学で話したスピーチを聴いたことがありますか?
興味のある方は、YouTubeに「 スティーブ・ジョブズ氏の伝説のスピーチ(スタンフォード大学) 」で視聴することができます。
15分前後の長いスピーチですが、その話の内容に誰もが吸い込まれていき、時間を感じない挨拶に驚きました。人を魅了できる話術を人の前に立って話すからには勉強しないといけませんね。
入学式の式次挨拶の基本構成
小学校・中学・高校・大学での校長先生からの式次スピーチを考える際の基本構成をまとめました。
・新入生・保護者への祝辞
・来賓・参列者への祝辞
・入学式を向かえた感想
・学校の指導方針
・これから必要となる人材像
・生徒に対する将来像
・学校の教育方針
・締めの言葉
この基本構成は一例です。文章の長さを調整しながら作成するようにします。ダラダラと長いスピーチになると伝えたいことが伝わらないことになるので要点をまとめて考えます。
生徒に問いかけたり、面白い話や新しい話題、笑える内容の話しを交えることで長い挨拶でも、飽きることなく話しを聞くことができますので、話す方のスピーチ力・話す力も養うようにすると、校長先生の話は良かった、為になったとなると思います。
入学式の校長先生式次挨拶の例文・文例
(新入生・保護者への祝辞)
(学校名)中学校・高等学校の新入生の皆さん、ご入学誠におめでとうございます。また、保護者の皆様もお子様のご入学について心よりお喜びを申し上げます。
(来賓・参列者への祝辞)
この晴れがましい第◯回入学式にお忙しい中ご来賓としてご臨席を賜りました後援会会長◯◯ ◯◯様、◯◯市長◯◯ ◯◯様をはじめ多数のご参列の皆様に厚く御礼申し上げます。
(入学式を向かえた感想)
本日ここに今新たに(学校名)中学校に100名、高等学校に150名が入学いたしました。私達教職員一同も新たな新入生を迎えて大変喜ばしい気持ちでいっぱいです。
(学校の指導方針)
さて、本校は設立以来◯年が経過し◯年目に入ります。7年前に高校に入学した生徒は3月に大学を卒業し、その多くは就職しまた。そして、大学院に進学した生徒もいます。就職者の中には、希望して本校で教員を執るべく戻って来てくれた卒業生もいます。このことは、学校妙意に尽きることで教職員一同大変嬉しく思うと同時に、教育機関として卒業生が社会に出るという一つのサイクルの中で役割を果たし、次の新たなステップに入ったと思っております。
さらに、次のサイクルは卒業生が社会で活躍し、その根底に(学校名)で受けた教育が、大きな試練がたちはだかったときに発揮すると考えております。
教職としての役割は限られていますが、社会貢献する人材の育成は、本校の教育方針のひとつですが、いかに貢献したかは生徒本人のみが知り、社会が評価することでしょう。学校としては、卒業生が世界で活躍する上で、本校で学んで良かったと思える教育を目指していきたいと考えています。
◯◯大学がこの◯◯の地に系属校として本校を設立した理由は、この気骨のある地で学んだ、特徴ある生徒を◯◯大学への入学を期待しているからです。
現在、東京への人口の一局集中化、また大阪・福岡の局所的集中化があります。この集中化したところは一時的にはいろいろな文化の集合体となるものの、そのままではいずれ全てが同じ種類になります。そこで、異種の文化価値観が混ざりあうことによって新たな文化を創造することが大切になります。その文化や価値観を持った人材を送り出すことをひとつとして(学校名)が、この地に選ばれました。
※学校がある都道府県の知名度・歴史・企業・知られている有名な人材の話しを入れる。
このように極めて魅力ある地で、皆さんは6年間または3年間学ぶことになります。是非、この(学校名)で学ぶことに対して誇りを持って頂きたいと思います。このことが、ここで学ぶ大きな力となり、そして、この地が皆さんを大きくしてくれることと自負しております。
(これから必要となる人材像)
さて、皆さんは望むと望まざるとに関わらず、大きな渦の中で生きていくことになります。これからは、情報化新興国の中で生きていくことになります。近い将来、世界の多くの人がインターネットでつながり、便利に、そして快適になっていきます。
簡単に世界からあらゆる情報を入手することができ、そして逆に、世界に簡単に情報を配信することができます。すでに、このような世界を享受している人も多いと思います。また、思わぬ人とも、知らない人とも繋がってしまうことがあるかもしれません。
さらに、今までは人が考え、手間を掛けていたことが簡単にできてしまうことができ、その分、時間ができ、他のことを考えることができるようになります。
ロボットが人に変わって仕事をしてくれ、危険な作業や精密でミスなく作業をしてくれるようになります。
すでに、ロボットが受付や掃除などをするホテルがあるように、お店に入るとロボットが接客や料理を作り、力が必要な介護もロボットが代わりにやってくれるようになるでしょう。ロボットが人間以上に思いやりや相手をしてくれる、そんな時代がもう目の前まで来ていると感じています。
このように情報化社会においては、人の考えを超えたボーダレス社会が実現してきています。格差社会がグローバル化してきています。この結果、生活水準や収入面、幸福度といったところで格差が生じ、人間同士でのいがみ合いが発生しています。
これからの時代、人がしっかりしていないと、人任せ・機械任せになってボーダレスな社会になっていくでしょう。このボーダレス社会で生きていくために、この(学校名)で一人ひとりが世情を見据えて学び、国際的なグローバルな視点をしっかりともって、今後学んでほしいと思います。
(生徒に対する将来像)
そして、将来は人々にとって真に豊かな世の中の実現に貢献する人になっていただきたいと思います。この地は、歴史と文化、そして自然に溢れた素晴らしい街です。この街で皆さんは、かけがえのない青春を送ろうとされています。
(学校の教育方針)
皆さんは、第◯期生として本校に入学されました。そして、卒業生が社会に進むという教育機関の一つのサイクルを得て新たな段階に入りました。これまで以上に、生徒や保護者の皆様、そして社会からの期待に答えるべく、教職員一同より高い教育指導や生活指導をして行きたいと思います。
その教育指針は、基礎となる高い学力の所得、英語力、国際的な人間の育成を中心にして、さらに一定の既実のもとの事実性や主体性を持つことを目指すことです。すなわち、そのスローガンは、確かな学力と豊かな人間性を備えたグローバルリーダーの育成にあります。
ぜひ、新入生の皆さんも現在のワクワクとした初心を忘れずに高い志や目標を持って、また課外活動などに大いに挑戦していただきたいと思います。
初心は、つい忘れがちです。高い志や初心・しっかりとした目標を持ち、そして同じ志の友人が得られれば苦しいときや辛い時も乗り越えていけるはずです。ぜひ頑張って頂きたいと思います。
(締めの言葉)
最後に保護者様に於かれましては、お子様の教育を本校、(学校名)に託していただき誠にありがとうございます。もちろん、生徒本人の努力も不可欠になりますが、本校には将来の日本や社会に貢献するグローバルリーダーの育成という◯◯大学の目標をもとに、高いレベルの学力や部活動など通して、豊かな人間性の育成に教職員一丸となって生活指導に当たりたいと思っておりますので、ご理解よろしくお願いいたします。
これをもって入学式の式辞とさせていただきます。
まとめ
入学式の話は堅苦しくてつまらないという印象が、どうしてもあります。だからと言って、面白おかしければ良いというものでもありませんが、話しを聞く人が飽きない、退屈しないように話の構成を考えたり、内容を考えるのはスピーチ・挨拶をする話し手の技量に関わっています。
学校でPTA役員をしていたときは、申し訳ないですが、挨拶をするという同じ立場で話しを聞いていても、何を言いたいのか分からなかったり、短すぎるスピーチで何も考えていないような雰囲気になったり、話すだけになっていたりと、少し違う感じを受ける人もいました。
話す相手がいますし、聞く人がいるので、挨拶をするほうは、話しを聞いている人の反応を見て、スピーチ内容を変えたりすることができる心配り・気配りができると理想ですね。