退職することが決まったら、お世話になった方に挨拶状を書くことがあります。
働く女性の場合は「結婚」や「出産」で退職することが多いのですが、しばらく専業主婦が続いたとしても、再び復職したり転職することもありますよね。
社会は狭いものなので、途切れた人間関係が再び復活する可能性がありますので、特にお世話になった方や上司には必ず退職の挨拶を口頭で伝えるか、メールや挨拶状を送るようにしましょう。
ただ、挨拶状を送る場合、どうやって書けばいいか?いつ出すのか?わからないことが多いと思います。
今回は、女性向けの退職の挨拶状の書き方や文例、出す際に気をつけるポイントについて調べてみましたのでご紹介します。
退職の挨拶はどうやって伝える?
退職の挨拶は、お世話になった上司や同僚・部下、取引先や顧客に向けて行うものです。
1番良いのは直接会って口頭で伝えることですが、事情があって直接会えないこともあります。
そんな時に便利に使えるのが今や重要なビジネスツールである「電子メール」です。
本来はハガキや封書で退職の挨拶を行うものでしたが、最近は電子メールで行うことも多くなってきました。
ただ、格式を重んじる方や上の年代の方には電子メールは軽い印象で受け取られる可能性があります。
特にお世話になった方に対しては、退職挨拶状はハガキか封書で書くのが望ましいといえるでしょう。
退職の挨拶状はいつ出す?
一般的には退職後1ヶ月~2ヶ月以内とされています。
ただ、取引先や顧客に対しては退職前に直接会えず、退職をお知らせできないケースもあります。
その場合は、後任者の紹介を兼ねて退職の挨拶状を出した方が良いこともありますので、上司と相談して臨機応変に対応しましょう
個人情報を利用することにならないか?
特に取引先や顧客に対して挨拶状を出す際は注意が必要です。
何故なら挨拶状を出すのは退職後ですので、退職後にも関わらず勤務先が保有する個人情報を利用することになる為です。
自分が退職しても「勤務先と取引や関係をこれまでと同様続けていって欲しい」という願いと感謝の気持ちで挨拶状を送る場合でも、上司や会社の了承無く勝手に送ることは避けた方が良いでしょう。
退職後に挨拶状を取引先や顧客に送りたいこと、個人情報を利用・引き継ぎをしても良いかどうかを必ず事前に会社の上司に相談しましょう。
情報の漏洩や個人情報の私的利用を元勤務先から責任を問われる可能性もあるため、安易に送らないよう、注意しましょう。
また、挨拶状はハガキか封書になるので、自分の個人情報も記入する必要があります。
起業や転職する場合は職場の住所を書けば良いのですが、特に女性の場合、自宅の住所を書くのは慎重になるべきです。
退職の挨拶状の書き方
ビジネスの挨拶状を書く場合、書く内容や書く順番に配慮して、簡潔に書くのがマナーです。
あまりに砕けた表現は避けた方が良いでしょう。
挨拶状は手書きが基本!ですが、枚数が多く1枚1枚手書きは大変で相当な労力が必要になります。
もしもプリンターで印刷する場合は、宛先の住所を手書きにしたり、一言メッセージを書き添えるよう工夫すると良いでしょう。
書く内容は?
1.冒頭のあいさつ(拝啓や謹啓、時候の挨拶など)
2.退職日を書く(勤務年数を加えて書いても) 3.在職中にお世話になったお礼や感謝の気持ちを書く 4.句読点「、」「。」は使わない 5.転職や起業する場合は、仕事内容や今後の抱負を書く 6.相手への配慮や今後の指導をお願いする旨を書く |
時候の挨拶は、3月の場合は「早春」、4月は「陽春」、5月は「新緑」など様々です。
月や季節によって使い分けるようにしましょう。
「時下」にすれば、季節を問わず使うことができます。
退職の挨拶状の文例
寿退職の場合
拝啓 ◯◯の候 ますますご健勝のこととお慶び申し上げます
さて 私こと
このたび ◯月◯日に持ちまして 結婚を控え 準備のため株式会社◯◯を退職することとなりました
在職中は大変お世話になり ありがとうございました
しばらくは 家庭に専念したいと思っておりますが 今後とも何とぞよろしくお願い申し上げます
まずは略儀ながら書中をもって お礼かたがたご挨拶申し上げます
敬具
出産退職の場合
謹啓 ◯◯の候 ますますご清祥のこととお喜び申し上げます
さて 私こと
このたび ◯月◯日をもちまして 出産を控え 準備と育児に専念するため 株式会社◯◯を退職いたしました
◯年間という短い間ではありましたが 格別のご厚情を賜り 心から御礼申し上げます
今後しばらくは 家庭や育児に専念したいと思っております
末筆ながら◯◯◯様のなお一層の発展ならびに皆様のさらなるご活躍とご健勝を陰ながらお祈り申し上げます
謹白
家庭に専念する場合
拝啓 時下 ますますご清祥のこととお慶び申し上げます
さて 私こと
このたび ◯月◯日を持ちまして 株式会社◯◯◯◯を退職いたしました
長い歳月を勤めさせていただいたことはひとえに 皆様のご厚情の賜と深く感謝いたしております
心から厚く御礼申し上げます
今後は◯◯◯◯での経験や皆様の励ましの言葉を糧にして しばらくは家庭に専念したいと思っています
末筆ながら皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます
敬具
転職の場合
謹啓 時下 ますますご健勝のこととお慶び申し上げます
さて 私こと
このたび ◯月末をもちまして 株式会社◯◯◯◯を退職いたしました
入社以来 ◯年間の長きにわたり勤めさせていただくことができましたのも
ひとえに皆様方のご厚情とご指導の賜物と感謝の気持ちでいっぱいでございます
◯月からは 第二の職場に勤務することになりました
今後とも従来同様のご厚誼ご鞭撻をお願い申し上げます
末筆ながら皆様のご健勝とご多幸を祈念いたします
謹白
一身上の都合の場合
拝啓 ◯◯の候 皆様には益々ご健勝のこととお慶び申し上げます
さて 私こと
このたび 一身上の都合により退職させていただくことになりました
長い間公私にわたり色々とお世話になりましたことを厚く御礼申し上げます
末筆ではございますが 改めて長年のご厚情に深謝するとともに
皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます
敬具
まとめ
今回は、女性向けの退職の挨拶状の書き方や文例、出す際に気をつけるポイントについてご紹介しました。
退職をする際は、直接会って口頭で伝えるのが基本ですが、出来ない場合はメールや挨拶状を送付することがあります。
昔は挨拶状を送るのが大切なマナーでしたが、取引先や顧客に対しては特に、個人情報保護の観点から慎重に行うべきです。
挨拶状を送りたい場合は、前もって会社の上司に必ず相談するようにしましょう。