ランドセルの素材は大きく人工皮革のクラリーノ・自然皮革の牛革・コードバン(馬)に分けられます。
メーカーによっては、取り扱っていない素材もあるので、好みに合った素材を選んでから、購入するメーカーを探すとスムーズかもしれません。
また、ランドセルの素材にはそれぞれ特徴があり、メリットやデメリットも違います。
今回は天然皮革、牛革の一種である、ヌメ革のランドセルの特徴とおすすめの取扱いメーカーをまとめてみました。
ヌメ革ランドセルの特徴
ヌメ革は牛革の一種になります。
天然皮革で、植物の渋に含まれる成分のタンニンでなめした皮革になります。
革の表面を加工せず、革本来の経験劣化を楽しむことができる革です。
使っていくことで味わい深くなっていきますが、水に弱いので濡れたら拭かないといけません。また定期的なお手入れも必要になります。
お手入れの手間がデメリットのように思われる方もいますが、ものを大切にする気持ちや、使い込む楽しみを教えてくれるのは、ヌメ革ランドセルの大きなメリットとも言えます。
「土屋鞄」ヌメ革ランドセルの王道
創業1965年の土屋鞄ランドセルの特徴は最も品質を重視していることです。
元々が革製品のブランドなので素材にはこだわりがあり、専属職人が1点1点手作りで、見えない部分まで細やかに、丈夫に作られています。
また革の種類が豊富で人気カラーを取り揃えているのも土屋鞄の魅力のひとつと言えます。
土屋鞄のランドセルに使っているヌメ革は、防水などの表面加工をしていません。
革本来の風合いを生かした牛革になります。
ランドセルは、6年の年月をかけて、日焼けや手の脂が染み込むことなどによって、じっくり色つやが深みを増し、刻々とアメ色に変化していきます。
6年後にはそれぞれ個性的な味わいのある表情の色合いになります。
【ヌメ革ランドセルのメリット】
・非常に丈夫 ・定期的にお手入れをするためランドセルへの愛着がわき大切にするようになる ・変色や傷が風合いとなり、使い続けると革が柔らかくツヤが出る ・革自体についた傷跡や血筋が本革の証拠 ・他の子と被らない |
【ヌメ革ランドセルのデメリット】
・定期的な手入れが面倒 ・耐水性がない(防水加工は基本的にはされていない) ・高額である ・質量がある(重い) |
【土屋鞄のヌメ革ランドセルの特徴】
・男女向けランドセル・1色の1種類のみ
・通常の2倍の時間と手間をかけて作られている
・6年の年月をかけてじっくりと色つやが深まる革の経年変化が楽しめる
・防水加工していない
・重量は1,430g前後とやや重い
・価格:100,000円と一般的なランドセルに比べると高い(割引無し)
・キャンセル不可
「黒川鞄」英国生まれのブライドルレザー
黒川鞄の本店は富山県にあり、明治創業の120年の歴史を持つ鞄店になります。
厳選した天然素材、手縫い、手作りにこだわった黒川鞄ランドセルの特徴は、本革なのにカラーが13色と多いことです。
最近の流行りの刺繍やキラキラした飾りはありませんが、存在感のある上品でシンプルなデザインの黒川ランドセルは大変人気があり、毎年早い時期に売り切れとなっています。
ブライドルレザーとヌメ革の違い
ヌメ革は、植物の渋に含まれる成分のタンニンでなめした皮革になりますが、
そのヌメ革に染色を施した後、独自の英国製ワックスをたっぷりしみこませた革がブライドルレザーになります。
月日を経るごとに味わいが深くなり、独特の光沢と艶を増していくのが特徴の牛革です。
ブライドルとは、乗馬の際、馬の頭部につける馬具を意味します。
この馬具を作るために製作された強靭な皮革がブライドルレザーになります。
丈夫で水にも強いことから、通常はメンズのバッグや小物に用いられる事が多く、ランドセルにブライドルレザーを用いているのは黒川鞄だけになるでしょう。
【ブライドルレザーランドセルの特徴】
・1色の1種類のみ(黒)
・注文製作の為、キャンセルは原則不可
・重量:1,480gとやや重い
・価格:98,000円と一般的なランドセルと比べると高い
「イオン」イタリアモンタナ産 リオダブルバット
CMや広告などでもお馴染みのイオンランドセルは、軽量で24色の豊富なカラーバリエーションとお手頃な価格のイメージが大きいですね。
基本的にランドセルの素材にはクラリーノ(人工皮革)が使われているものが多く、またデザインラインナップは、専門のランドセルメーカーに引けをとりません。
しかし近年では、強度が強く丈夫で、使っていくうちに風合いが増してくる「天然皮革シリーズ」が高価格帯にも関わらず人気上昇中です。
天然皮革シリーズの素材はコードバン(馬革)・牛革・リオダブルバット牛革の3種類あり、140,000円(税別)のイタリアモンタナ産 リオダブルバットは、イオンランドセルの中でも最高級モデルになります。
イタリアモンタナ産 リオダブルバット
イタリアトスカーナ地方の職人が、伝統的な製法で仕上げる本物のなめし革を使用したランドセルになります。
革は牛の肩の部分を使用し、丈夫で型崩れしにくく、使い込むほどに独特の味わいが増してきます。
革の魅力にのみに特化し、装飾は一切ありません。
本物だけが持つ他にはない質感と風合いが特徴のランドセルです。
金具はすべてアンティークゴールドで統一し、高級感が漂うランドセルになっています。
【リオダブルバットランドセルの特徴】
・男女向けランドセル
・カラー:2色(チョコ・ブラック)
・かぶせ、本体、背当て:すべて牛革
・出荷前であればキャンセル可能
・防水加工ではない
・重さ:約1,620g
・価格:151,200円と一般的なランドセルと比べると高い
・他の人と被らない
あとがき
クラリーノのランドセルに比べると「ランドセルが重たい・雨などの耐水性が心配・定期的なお手入れが面倒・価格が高額」など、小学生のランドセルに適していないのでは。
とデメリットに思えてしまう部分が多いヌメ革素材のランドセルですが、ヌメ革ランドセルを購入して失敗したという口コミは見られませんでした。
それだけ品質が良いということだと思います。
幼少の頃から本物を持たせてあげたい。
そう思われているご家庭も少なくありません。
しかし、6年間ランドセルを背負うのはお子さま自身です。
お子さまが気に入ったランドセルであるか、重さや、背負ってみてお子さまに合っているか。
よく検討してから購入を決めることをオススメします。