妊娠期間は最後の生理が始まった日から数えますので、妊娠0週~1週まではまだ排卵前の状態で子宮には何もありません。妊娠2週目頃に排卵が起こり、妊娠2ヶ月目に入る妊娠4週目頃に受精卵が子宮に着床します。妊娠2ヶ月目は、妊娠週数でいうと4週から7週目にあたり、生理が遅れていたり、いつもと違う体調の変化に「妊娠したかも」と気づき始める時期であり、流産が心配な時期でもあります。今回、妊娠2ヶ月目のお腹の赤ちゃんの状態とママの身体の変化、することできることについてご紹介します。
妊娠2ヶ月(4~7週)
妊娠2ヶ月目のお腹の赤ちゃんの身長は約9~14mm、体重は1~4gといわれ、まだとても小さく、エラや尻尾がありタツノオトシゴのような形をしています。受精卵から2頭身に成長し、脳、肝臓、腎臓、胃や腸などの身体の器官が作り始める時期であり、「器官形成期」といわれます。また、妊娠2ヶ月目の終わり頃になるとほとんどの人が妊娠したことに気が付きます。生理が遅れることで気づいたり、基礎体温をつけている人は生理前には下がる体温が下がらず、高温期のまま続くことで気づいたり、つわりや熱っぽいなどの体調の変化で妊娠に気づく人もいます。
お腹の赤ちゃんの状態
妊娠4週目頃はエコーで検査して胎嚢(赤ちゃんが入ってる袋)が確認できることもありますが、検査の時期が早すぎて病院で「まだ胎嚢がみえない」といわれることもあります。
妊娠5週目頃になると多くの人が子宮内に1cm程度の大きさの胎嚢が確認できるようになります。胎嚢が子宮内に着床していれば、子宮外妊娠の可能性はなくなります。また、この頃は胎児ではなく胎芽といわれ、心臓や肺、胃腸などが作られます。
妊娠6週頃になると赤ちゃんの胎芽と心拍が確認し始めるようになります。小さくピクピクと動く様子が画面上で確認できます。突起だったものがだんだん水かきのような形の手足に形成され、生殖器の形成がはじまります。
妊娠7週頃になると多くの方が赤ちゃんの心拍を確認できるようになり、赤ちゃんは頭と胴体の境目がしっかりと確認でき、心臓が2つの心室と心房の4つの部屋にわかれ、血流を身体中に送り込むようになり、身体の重要な臓器もできていて神経細胞なども作られます。胎盤を作る準備も始まります。
ママの身体の変化
妊娠4週目頃は通常、生理予定日頃になります。受精卵が子宮内膜に着床し、赤ちゃんの神経細胞や心臓などの身体の重要な器官が作られ始める頃ですので、ママが服用した薬や注射などが胎児の成長に影響を与える可能性があります。妊娠していることに気づかず、市販されている鎮痛剤や風邪薬などを服用してしまうことも・・でも、慌てずに、まずは産婦人科医に相談しましょう。
妊娠5週目頃は生理予定日の1週間経った頃で、妊娠検査薬で陽性の反応がでる時期です。多くの人が妊娠に気づきます。また、つわりが始まる人もいますし、胸が張ったり・眠気・体のだるさ、熱っぽいやイライラするなどの症状が現れる頃です。これらの症状は妊娠によって体内に分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)・エストロゲン(卵胞ホルモン)の作用により起こります。
妊娠6週目頃はつわりが本格的にはじまります。つわりには種類があり、水を飲んでも吐いてしまう吐きつわりや、空腹になると気持ち悪くなる食べつわり、一日中眠くなる眠りつわりや周りの匂いで気持ちが悪くなる匂いつわりなどあります。つわりには個人差もあり、全く無かったという人もいれば、重症妊娠悪阻というつわりの症状が悪化し治療が必要な状態になる人もいます。重症妊娠悪阻になった場合、食べ物がほとんど食べられない・嘔吐を何度も繰り返す・尿中にケトン体が出始めるなどの症状があり、入院が必要になることもあります。
妊娠7週目頃は多くの方で赤ちゃんの心拍が確認でき、「母子手帳をもらってきてください」と言われることもあります。ママとしての実感が湧いてきますね。そして、ママの身体にも変化が起こります。
・つわりが続いている方はさらに強まることも
・高温期も続いているので微熱が続き、頭痛を感じることがある
・胸が張ってきたり、乳首の色が濃くなる
・便秘ぎみになる
・おりものの量が増える
・貧血や動悸や息切れ
妊娠7週目は、外見上は妊婦には見えなくても、身体の中は妊娠前と比較して劇的な変化が起こっています。特につわりがひどくなるため、少しでも軽くして快適に過ごしたいですよね。鍼やお灸を試して少し楽になることもありますし、柑橘系(レモン・グレープフルーツ・ベルガモット)などのエッセンシャルオイルをティッシュに数滴染み込ませて部屋に置いておいたり、ディフューザーを使ったり、ミントティーを飲んだりガムを噛むことでムカムカが少し落ち着くことがあります。実家に帰ったら楽になったという声もありますよ。つわりは出産まで続くこともありますが、殆どは妊娠4ヶ月から5ヶ月で終わります。いつかは終わるので頑張って乗り切ってくださいね。
することできること
妊娠がわかったら、これまでの食事や生活習慣を見直してみましょう。アルコールやタバコは赤ちゃんの発育を妨げますので、妊娠を望んだ時点でできるだけやめるようにしましょう。もちろん妊娠に気づいた時に止められたら大丈夫です。また、赤ちゃんの先天性異常のリスクを減らすために葉酸を摂取するようにしましょう。葉酸はモロヘイヤ、焼き海苔、レバーや枝豆などの食品に含まれていますが、身体への吸収率が低いため普段の食事だけでは足りない為、サプリメントを摂ることをオススメします。先天性異常の予防には「妊娠の1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月までの間」に葉酸を毎日適量摂ることをすすめています。妊娠に気づく前に普段から葉酸を積極的に摂ることが大切ですね。
・タバコやお酒をやめる
・毎日480μgの葉酸をとる+葉酸サプリメントで400μgをとる
・市販の薬やサプリメントであっても自分の判断で飲まず、医師に相談すること。
まとめ
妊娠2ヶ月目は、妊娠に気づき赤ちゃんの存在を実感する時期であり、ママの身体の中で様々な変化が起きます。特につわりや動悸、熱っぽいなどの症状に悩まされストレスに感じることも多くなるかもしれません。初めてでなくとも妊娠・出産には不安がつきものですが、一人で抱え込まずにパートナーや家族に相談して分かち合えるようにし、できるだけゆったりした気持ちで過ごせると良いですね。