妊娠5ヶ月目は妊娠16週~19週目にあたり、安定期といわれます。つわりが治まり、異常な眠気や頭痛、倦怠感などが治まってきて体調が安定してきますので、妊娠生活を楽しめる時期ともいえます。安定期に入れば流産の可能性は低くなりますが、無理はしないでやりたいこと、楽しみたいことをしましょう。今回は、妊娠5ヶ月目のお腹の赤ちゃんの状態とママの身体の変化、この時期に行うとされる「戌の日の行事」についてや、母親学級やマタニティスポーツなどのすることできることについてもご紹介します。
妊娠5ヶ月(16~19週)
妊娠5ヶ月目のお腹の赤ちゃんの身長は16~20cm、体重は250~270gと4ヶ月の頃の2倍以上に成長していきます。顔だけにあった産毛が全身に生えてくるようになり、皮下脂肪がついてきて赤っぽい肌になりますがまだシワシワです。聴覚や視覚、触覚が発達し脳の前頭葉や神経も発達する為、自分の意志で手足を動かせるようになり、羊水の中を自由に動き回ります。耳も聞こえるようになるので、積極的に話しかけてあげましょう。また、性別がわかるようになり始めるのもこの時期です。胎動を感じるようになるのはもう少し先ですが、早い人で5ヶ月目の前半で感じる方もいます。
お腹の赤ちゃんの状態
妊娠16週目頃になると赤ちゃんの大きさは約12~14cmほどになり、体重が約120gほどです。身体中の関節が完成し、骨も硬くなってきます。ママの声や外の音も聞こえるようになり、記憶する力も発達してきます。ケンカやイライラは赤ちゃんにとってストレスになりますので、なるべく避けてリラックスしましょう。性別がわかるようになりますので、出産まで知りたくない方は医師に伝えておきましょう。
妊娠17週目頃になると赤ちゃんの大きさは14~17cmほどになり、体重が約150gほどに成長しますが、個体差がでてくる時期ですので、小さめだと不安にならず、心配しすぎないようにしましょう。耳が聞こえるようになった赤ちゃんの聴覚と海馬が発達し、お母さんの声を覚えることができるようになります。また、褐色脂肪細胞が発達し、自分で体温調節がある程度できるようになり、飲み込む、吸うという生まれた後にオッパイを吸って飲む訓練を始めています。
妊娠18週目頃になると赤ちゃんの大きさは15cm~18cmほどになり、体重が約200gほどになり、3頭身から4頭身になってきます。胎動を感じ始めるようになる方もいます。胎動を感じたら話しかけてみると良いでしょう。胎便が始まり、便を出す練習をはじめます。
妊娠19週目頃になると赤ちゃんの大きさは16cm~20cmほどになり、体重は200~280gほどになります。髪の毛や眉毛なども生えてきて、性別もはっきりとわかるようになります。体内器官は順調に発達し続けていますが、口から肛門まである消化管から消化液を分泌するようになります。消化液は食べ物を分解して栄養を吸収しやすくするための働きがありますので、赤ちゃんは栄養を吸収することができるようになります。
ママの身体の変化
妊娠16週目頃の子宮の大きさは15週目の頃とさほど変わりません。子宮底長は約15cmです。つわりが治まってきますので、食欲が増します。急激な体重増加は妊娠中毒症や妊娠糖尿病の引き金になることや、妊娠線を増やしてしまうので、体重管理に気をつけましょう。また、貧血になりやすいためひじきや切り干し大根、納豆やほうれん草などの食品やサプリメントを摂り、足りないと思われる場合は鉄剤を医師から処方してもらうようにしましょう。また、おりものの量が増え、膣炎になりやすい時期です。おりものの色が透明や白ではなく茶色で少し臭う場合は医師に相談しましょう。
妊娠17週目頃になると、子宮の大きさは大きめのメロンぐらいになり、お腹が大きくなり目立ってきます。ゆったりしたマタニティウェア(ワンピースやチュニックやウエストゴムのパンツなど)を身につけましょう。お腹が重くなると背中を反る姿勢になりがちです。腰痛になってしまうこともあります。腰痛対策には、妊婦帯や骨盤ベルト、マタニティーガードルを着用すると骨盤が支えられ負担が軽くなりますし、ウォーキングやマタニティヨガなどを始めてみても良いでしょう。また、乳腺が発達するため、乳房が大きくなってきます。この時に授乳もできるブラジャーを選ぶと良いでしょう。また、赤ちゃんが急成長していくことで大量の血液が必要になり、流れる量が増えることで心臓の鼓動が早くなり動悸・息ぎれを生じることもあります。少し動いたら椅子に座る、横になるなど休むようにしましょう。また、便秘や痔にもなりやすい為、水分や食物繊維やヨーグルトを摂るようにしましょう。
妊娠18週目頃になると、子宮の大きさは大人の頭より少し小さいサイズになっています。胎盤から分泌されるホルモンによって、ママの身体で蓄えられた栄養は赤ちゃんに優先的に送られるようになります。赤ちゃんへは主に糖質が栄養源となり送られ、ママのエネルギー源には脂肪が使われるようになります。つまり、身体が皮下脂肪を溜め込もうとするように変化する為、身体全体がふっくらしてきます。少し食べても太りやすくなる為、体重管理は大変です。妊娠18週の1週間で理想的な体重増加量は0.3~0.5kgほどといわれますが、それより極端に増えてしまわないよう気をつけましょう。また、17週頃に引き続き、腰痛や動悸・息切れ、便秘や痔に悩まされる時期です。
妊娠19週目頃になると子宮の大きさは大人の頭と同じくらいのサイズになり、お腹は前にせり出すようになってきます。妊娠線がお腹、胸、お尻や太ももに出やすくなりますので、妊娠線予防クリームやオイルなどをこまめに塗ったり、急激な体重増加にならないように食べ過ぎないことや、散歩やストレッチなど適度な運動をしましょう。また、骨盤がゆるみ、徐々に身体が出産の準備を始めるようになります。
することできること
妊娠5ヶ月に入るとつわりが治まってきて体調もよくなり、散歩に出かけたりマタニティヨガやマタニティビクスなどのスポーツを始めてみるのも良い時期ですね。そして、昔から妊娠5ヶ月目の戌の日に腹帯を巻いて安産祈願をおこなう習慣があります。安定期に入ったこの時期にやっておくと良いことについてご紹介します。
戌の日の安産祈願にいこう
戌の日は、十二支の戌(いぬ)に当たる日のことです。12日に1回あります。一ヶ月に2、3日あります。妊娠5ヶ月目に腹帯(岩田帯)という長い帯を巻いて神社に行って安産を祈願するという風習が昔から行われています。犬はお産が軽く、たくさんの子供を産みますのでそれにあやかり、妊婦や赤ちゃんの無事を願って戌の日に安産祈願を行うようになりました。安産祈願はほとんどの神社で行われていますが、自宅から近い神社に問い合わせて安産祈願を行っているか問い合わせてみると良いでしょう。
戌の日カレンダー(2017年)
月 | 戌の日 | 月 | 戌の日 |
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1月 | 11日(水)・23日(月) | 7月 | 10日(月)・22日(土) |
2月 | 4日(土)・16日(木)・28日(火) | 8月 | 3日(木)・15日(火)・28日(日) |
3月 | 12日(日)・24日(金) | 9月 | 8日(金)・20(水) |
4月 | 5日(水)・17日(月)・29日(土) | 10月 | 2日(月)・14日(土)・26日(木) |
5月 | 11日(木)・23日(火) | 11月 | 7日(火)・19日(日) |
6月 | 4日(日)・16日(金)・28日(水) | 12月 | 1日(金)・13日(水)・25日(月) |
戌の日カレンダー(2018年)
月 | 戌の日 | 月 | 戌の日 |
---|---|---|---|
1月 | 6日(土)・18日(木)・30日(火) | 7月 | 5日(木)・17日(火)・29日(日) |
2月 | 11日(日)・23日(金) | 8月 | 10日(金)・22日(水) |
3月 | 7日(水)・19日(月)・31日(土) | 9月 | 3日(月)・15日(土)・27日(木) |
4月 | 12日(木)・24日(火) | 10月 | 9日(火)・21日(日) |
5月 | 06日(日)・18日(金)・30日(水) | 11月 | 2日(金)・14日(水)・26日(月) |
6月 | 11日(月)・23日(土) | 12月 | 8日(土)・20日(木) |
妊娠帯や腹帯、マタニティガードルは妊娠中のマストアイテム
腹帯を巻くことで大きくなったお腹を包み込み、赤ちゃんを衝撃から守ってくれますし、お腹を温めてくれます。さらにお腹を支えることで腰や背中にかかる負担を軽くしてくれますので、姿勢の矯正や腰痛予防になります。腹帯には昔からある長い、さらしタイプの岩田帯といわれるものと、伸縮性のある筒状のコルセットタイプ、ショーツと一体となったガードルタイプがあります。立ったままでも無理なく装着できるサポートベルトタイプがあります。さらしタイプは長いので自分でうまく巻けるようになるまで慣れが必要になりますが、綿100%で肌に優しく、汗を吸収してくれますし、妊娠初期から産前までずっと使えます。コルセットタイプとガードルタイプはかさ張らず、さらしタイプに慣れない方やしめつけ感が苦手な方、急いでいる時などはサッと履くだけですので楽ですよ。
犬印本舗 妊婦帯【岩田帯タイプ】さらし
マタニティスポーツをやってみよう
妊娠中に体を動かすことで、腰痛や便秘などの症状を軽減したり、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの予防にもつながり、ストレス解消にもなります。体調が良くなってきた方はぜひ参加してみましょう。また、同じ妊婦さんたちとも触れ合えることで悩みを相談できたり、出会いのチャンスでもありますよ。
散歩やストレッチだけでも十分ですが、妊婦向けのヨガ、エアロビクスなどは産院でおこなっているところがありますし、スポーツクラブなどで妊婦向けのスイミング教室を行っているところもあります。ただ、参加する場合は、事前に医師や助産師に参加可能かどうか相談してからにしましょう。
母親学級に参加しよう
母親学級は、同じ週数くらいの妊婦さんたちが集まり、妊娠中や産後の生活や分娩、赤ちゃんのお世話の仕方について学んだり、お互いの情報を交換する場です。行われているのは、病院や産院のほかに、保健センターなどの自治体や、おむつメーカーや粉ミルクメーカーなどの民間企業などがあります。いずれも参加費が無料のことが多いようです。母親学級には必ず参加しなければならないという決まりはありませんが、分娩時のいきみ方や呼吸法などを助産師さんなどから学べることもありますので、育児書だけでは分からないことが学べます。体調が良い時は参加しておくと良いですよ。また、両親学級(父親学級)を開催している病院や産院もあり、分娩や赤ちゃんのお世話についてご主人も一緒に学べる良い機会ですから、ぜひご主人も誘ってみてくださいね。
まとめ
安定期に入る妊娠5ヶ月は、つわりが治まり体調がよくなってきますので、天気の良い時は散歩に出かけたり、マタニティスポーツに参加してみても良いでしょう。また、ご主人と戌の日に安産祈願に神社にでかけてみても良いですね。赤ちゃんが生まれたら二人っきりになる時間はほとんどありません。この時期から出産前までは、デートに出かけて二人きりの時間を楽しみましょう。