夏休みに頑張った自由研究を学校に提出して終わりにするのではなく、全国規模のコンクールに応募してみませんか。応募するだけで参加賞がもらえるコンクールもたくさんあります。ただ、どのコンクールも他のコンクールとの重複応募は受け付けていないので応募する時はどのコンクールにするのかよく考えて応募して下さい。調べてみるとたくさんのコンクールがあることがわかりました。小学生と中学生を対象としたコンクールを集めたので参考にして下さい。
小学生向けコンクール
自然科学観察コンクール(シゼコン)
主催・毎日新聞社、自然科学観察研究会
昭和35年から続いている全国の小・中学生を対象とした理科自由研究コンクールです。テーマは自由です。6月上旬から10月末までが応募期間で、11月中に予備審査・1次審査があります。12月上旬に最終審査があり12月下旬に入賞者発表・1月下旬に表彰式があります。
このコンクールは全応募者に参加賞として賞状と記念品をくれる事とアドバイスを添えた審査評を添付して無料で返却してくれます。実は返却してくれるコンクールはとても少ないのです。頑張った自由研究を返してもらえるのは嬉しいですね。応募資格は小・中学生で個人だけではなく、グループ単位での応募も可能とのことで学校のクラスでの応募も出来ます。全国規模の他のコンクールに応募したものとの二重応募は出来ませんが学校や都道府県までのコンクールなら大丈夫とのことでした。
自然科学観察コンクールのサイトには自由研究のヒントをくれるコーナーもあるので、これから自由研究のテーマを考える人にも参考になると思います。
夏のチャレンジ「未来」をつくるコンクール
主催・ベネッセ教育総合研究所
こちらも全国から応募ができるコンクールで、対象は小学生です。4つの部門に分かれていて、対象学年が少し違います。
・自由研究部門(1~6年生対象)
・作文部門(1~6年対象)
・環境部門(3~6年対象)
・絵画部門(1、2年対象)
となっています。作品の応募受付期間は7月~9月中旬までです。
選考基準の中に・自分が調べたいと思ったテーマを選んでいる・身近な生活の中で自分なりの発見ができている、というものがあって今までの受賞作品をみても皆さんそれぞれ身近な疑問や発見をテーマにしている事が分かります。例えば、イマジネイティブ賞を受賞した自由研究のテーマはズボンを早く乾かす方法というテーマでペットボトルの羽を材料とした自作の扇風機を使って形や角度を変えて比較したり、立体的に干す工夫をしたりして一番早く乾かす方法を発見するという身近で実生活に活かした研究をして高い評価をされていました。
参考になる自由研究テーマ・実験方法・まとめ方が見つかるかも知れません!
「算数・数学の自由研究」作品コンクール
主催・一般財団法人 理数教育研究所
こちらは理科が多い自由研究コンクールの中ではめずらしい算数・数学の自由研究コンクールです。2013年から始まり「数理思想の開発」を大切にされた塩野直道先生の功績をたたえ、日常生活や他教科の学習から興味を持った事を数学的な見方、考え方を活用して主体的に探求した作品を募集しています。
テーマは自由で応募資格は小学生・中学生・高校生で、個人だけでなくグループでの応募も出来ますが同じ学年のグループでの応募に限ります。
過去の受賞作品を見ると、小学生がリレー競技でトラックの内側と外側の選手のスタートの位置が違う事に気が付き、何故そうなのかを先生に教えてもらいます。でも小学校の運動会でのリレーではスタートの位置がみんな同じなので外側の人はかなり損しているのでは?と考えて自由研究のテーマにしています。計算式で内側と外側の距離の差を求め、小学校の運動会で行うリレー競技のでは21.98mの差があることがわかり、担任の先生に運動会でもスタートの位置を変えてみんな平等になるようにお願いしに行きます。準備が間に合ったらスタートの位置をずらす事にするという返事をもらって自由研究は終わっています。小学5年生の男の子なのですが素晴らしい自由研究になっていますね。
海とさかな自由研究作品コンクール
主催・朝日新聞社
応募資格は小学生で海外からの応募も受け付けています。個人でも学校やその他の団体での応募も出来ます。作品の返却はありませんが審査を通過した上位約120作品は返却してくれます。コンクールのサイトでは応募ガイドを見ることが出来ます。この応募ガイドにはくわしい応募方法が見られる他に観察図・自由研究・作文等のやり方やテーマを決める例や、作文を書く時のアドバイスがのっているのでとても参考になると思います。
・研究部門
観察図(1~3年生対象)
自由研究(1~6年生対象)
・創作部門
絵画(1~6年生対象)
絵本(1~6年生対象)
作文(1~6年生対象)
工作(1~6年生対象)
応募期間は5月末から9月末頃までとなっています。入賞者の発表は11月で12月の表彰式は東京のホテルで行われ、各部門の入賞者と2名の保護者を招待してくれますよ。
市村アイデア賞
主催・公益法人 新技術開発財団
生活を便利にしたり、環境に優しいリサイクルのアイデアなど新しいアイデアを募集しているコンクールです。応募期間は7月~9月中旬で応募資格は全国の小学生と中学生で個人の応募もグループ3名までの応募もできます。このコンクールの特徴はアイデアの募集なので工作物を作っていなくてもアイデアのみで応募できる事です。もちろん実現可能なアイデアで無ければいけません。規定の応募用紙があるのでその用紙にアイデアを自筆で記入し学校で取りまとめてもらい応募します。個人の応募と3名までのグループで応募することも出来ます。応募者全員に参加賞が贈られ、なんと団体賞の最優秀賞をとると奨学金として100万円が貰えます!
全国学芸サイエンスコンクール
主催・株式会社 旺文社
こちらのコンクールはジャンルがたくさんあります。
サイエンスジャンル
・理科自由研究部門(小学4~6年生対象)
・社会科自由研究部門(小学4~6年生対象)
学芸ジャンル
・絵画部門
・書道部門
・詩部門
・読書感想文部門
・作文部門
・写真部門
・ポスター・デザイン部門
学芸ジャンルの7つはすべて小学1~6年生まで応募できます。
応募資格は全国の小学生・中学生・高校生と海外の日本人学校在籍の小学生・中学生・高校生です。サイエンスジャンルは個人でもグループでも応募が出来ますが、同一部門での応募は1人1点のみです。アートジャンルは個人の応募のみで自作で未発表のものに限ります。テーマは自由ですが使用する用紙や文字数などにそれぞれの部門で細かい決まりがあるので応募しようと思っている方はよく読んで下さい。応募者全員に参加賞が贈られます。応募期間は6月中旬から9月末頃まです。
ジュニアシッピングジャーナリスト賞
主催・公益財団法人 日本海事広報協会
こちらのコンクールは海運や船の事を調べた事で作った新聞を募集しています。応募資格は全国の小学生・中学生・高校生です。海運がテーマというと難しそうですが、海運の歴史、船や港で働く人々、船の種類などをテーマにすると書きやすいかもしれません。
日本には小さな島がたくさんあり、島で暮らしている人にとって船は無くてはならない交通手段です。私達が毎日使う生活物資を運んでいるのも船ですね。船の種類はみなさんどのくらい知っていますか?港には消防艇という海の消防車があったり大型船の接岸を手伝うダグボート、接岸せずに沖に停泊している大型船の船員をのせて港へ運ぶ通船という海のタクシーのような船もあるそうです。いろいろな船の種類や船の役割りを紹介するページもあり見ているだけでも楽しいですよ。見ているうちにテーマにしたい事が見つかるかもしれません。
調べた事を新聞にするのがこのコンクールの特徴の1つですが、新聞作りが初めての人にもわかるようにお手本も見られるようになっています。新聞レイアウト用紙をダウンロードすることも出来るので慣れていない人も安心です。船や海に興味のある方は見てみると楽しいですよ。
虫や植物とふれあうコンテスト
主催・フマキラー
実験と研究部門
作文部門
音楽部門
絵画部門
工作部門
の5つに分かれています。応募対象は全国の小学生で、どの部門もテーマは共通で虫や植物を題材にしたものです。フマキラー大賞の5名に選ばれるとフマキラーの広島工場見学会に子供と保護者2名までのご招待してくれます。その他には顕微鏡が副賞としてもらえるフマキッズ賞があり、応募者全員には参加賞が貰えます。
わたしの自然観察路コンクール
主催・公益財団法人 日本自然保護協会
こちらのコンクールは子供達が自然の面白さを発見し自然観察路を自分で作り絵地図と文章にするものです。応募資格は全国の小学生・中学生・高校生、または小、中、高校生からなる団体です。観察で見つかった不思議を調べたりして絵地図を作っていきます。過去の受賞作品を見てみると皆さんそれぞれに、生きもの・花・鳥など観察路で出会ったものを絵地図に書き込んできれいに色を塗り素敵な作品にしています。過去の作品を見ていると自分の地域の絵地図も作ってみたくなると思いますよ。
自然観察路とは、身近な動物、植物などとふれあい、自然を観察することで自然のしくみを理解し自然の大切さに気付き学ぶ事が歩きながら出来る道との事です。いつも忙しく時間に追われて慌ただしく通っていくだけの道も夏休みくらいはゆっくりと子供とお散歩しながらどんな生きものや植物がいるかなど話しながら通ってみると新しい発見もありそうですね。
「科学の芽」賞
主催 筑波大学
応募資格は全国の小学3年生~中学生、高校生、特別支援学校の個人もしくは団体です。応募期間は8月中旬から9月末までとなっています。賞の名前になっている「科学の芽」はノーベル物理学賞を受賞した朝永振一郎博士の「ふしぎだと思うこと、これが科学の芽です」という言葉からきています。身近な不思議を発見し、観察、実験してレポート用紙A4判10枚以内にまとめます。12月には筑波大学で表彰式と発表会が行われます
過去の受賞作には、「風船ホテとチップス作りの秘訣」や「ながら勉強をするとなぜ学習効果が落ちるのか」など身近なテーマですが興味深いものがたくさんあります。小・中・高校生の各部門ごとに過去の受賞作品が見られるので参考にするのもいいと思います。
自由研究大賞
このコンクールの応募資格は小学生です。テーマは自由で身近な疑問から地球・宇宙・恐竜・歴史・環境問題など何でもOKです。レポート重視の審査なので工作物は受け取りを断れれる場合もあるようです。応募期間は8月始めから10月末頃までです。このコンクールは動画で応募することも出来ます。動画の応募方法は3分以内に編集した動画をYoutubeにアップロード(限定公開推奨)して動画のリンクを事務局宛にEメールで送ります。
グランプリの最優秀作品賞の副賞は自由研究を深める海外スタディツアーです!
中学生向けコンクール
上の小学生向けコンクールで紹介した中に中学生も対象としているコンクールが多数あります。
・自然科学観察コンクール(シゼコン)
・「算数・数学の自由研究」作品コンクール
・市村アイデア賞
・ジュニアシッピングジャーナリスト賞
・わたしの自然観察路コンクール
・「科学の芽」賞
この6つのコンクールは応募方法など小・中学生同じなので小学生向けコンクールの方で確認して下さい。
全国学芸サイエンスコンクール
このコンクールは小学生も応募できますが、中学生のみ応募できる学芸ジャンルで小説部門があります。小説のテーマは自由で400字詰め原稿用紙10枚から80枚以内で縦書きに書き、パソコンを使用する時には1枚に400字にします。その他に規定枚数には含まれない原稿用紙1枚にあらすじをまとめて書きます。
日本学生科学賞
主催・読売新聞社
日本学生科学賞は伝統のある科学自由研究のコンクールです。対象が中学生と高校生としているせいか「科学の甲子園」と呼ばれる事もあります。募集内容は理科・科学の研究作品です。最終審査は12月の下旬に日本科学未来館で開催され、予備審査で選ばれた32作品の研究者(生徒)と指導教諭が参加し各研究ごとに用意されるブースに展示し、中央審査委員が直接研究者に質問をします。高校の部の入賞作品の中からアメリカで開催される国際学生科学技術フェアへ参加する作品が選ばれます。
南極北極科学コンテスト
主催・国立極地研究所
このコンテストは中学生・高校生が極地でやってみたい観測や実験の提案を募集することから始まり、少しずつ形を変えながら現在に至っています。コンテストとして審査するだけだはなく、優秀な提案は南極観測隊や北極の観測チームが実施しているそうです。自分が考えた実験や観測が専門家によって実施されるなんてすごい事ですよね!締切は9月始めです。
野依科学奨励賞
主催・国立科学博物館
身の回りの不思議に興味を持って調査や研究を深めていく小・中学生を増やしたいと思って作られた、2001年にノーベル化学賞を受賞された野依良治博士の名前を付けた賞です。自分で調べたり実験したことを小論文にまとめて応募します。小論文を書いたことがない人でもわかるようにサイトで説明しているのでそちらを読んでみて下さい。文字数に制限はありませんが初めて挑戦する人はA4用紙(表・裏)に10枚位を目安にすると良いそうです。
まとめ
ほどんどのコンクールは未発表の作品に限っていて重複応募は出来ない事が多いので、どのコンクールに応募するのかをよく考えて提出して下さい。応募期間もそれぞれ違い、期間が短いものもあるので注意が必要です。夏休みに頑張った自由研究を学校に提出して終わりにするのはもったいないのでコンクールに応募してみるといいと思いますよ!入賞出来なくても思い出になるし来年の自由研究をやるモチベーションもあがると思いませんか?それに、もしかしたら入賞するかもしれないですよ!