産後のからだの変化として、尿もれ(尿失禁)や頻尿を訴える産後ママは大勢います。尿もれは、その症状を相談することもできず、その症状に悩みながらも恥ずかしさや、治らないのではないかという思い込みで、病院へ行くこともせず、不便な日常生活を送っている女性が多いようです。今回は、産後の女性の多くが悩まされる尿もれ(尿失禁)と頻尿について、原因と対処法を調べてみます。

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産後に尿もれ(尿失禁)や頻尿になるのはなぜ?

産後間もなく、くしゃみをしたり重いものを持ったりしたとき、たまに尿が漏れてしまいます。出産前はこんなこと全くなかったので、正直戸惑っています。恥ずかしくて病院も行けず、もし診てもらうとしたら産婦人科なのか泌尿器科なのかも分かりません。尿もれの対処法や治療法はあるのでしょうか?

産後数ヶ月は、一日の排尿が5回ぐらいで、多少の我慢もできていましたし、夜中にトイレに起きることはありませんでした。産後8~9ヶ月ぐらいから、夜中トイレに2回くらい起き、それでも間に合わずにおねしょをしてしまいます。昼間も排尿したいと思ったら、我慢せずにすぐにトイレに行かないと間に合わない状態です。日常生活にも外出するのにも支障があるので、病院で診てもらったほうが良いのでしょうか?

産後の尿もれ(尿失禁)や頻尿の原因は?

出産を経験した女性の多くが、尿もれの経験をしているようです。その症状に重い軽いはありますが、他の人に相談しにくいせいもあり、人知れず不便な生活を送っている人が少なくありません。けれど、最近では婦人科領域の病気の一つとしての研究が進み、治療によって症状がよくなることがわかっています。

産後の尿もれ(尿失禁)の症状にはいくつか原因がありますが、最も多いのが腹圧性尿失禁といって、くしゃみなどで腹圧がかかったときに、膀胱の内部の圧が尿道を閉鎖させる圧より高くなって、尿もれが起こるのです。

健康な状態のからだは、腹圧がかかると同時に尿道も締まるようなメカニズムになっているのですが、出産を経験した女性のからだでは、骨盤の底部にある筋肉が緩んでおり、尿道と膀胱の間の位置に変化が生じ、尿道が締まりにくくなることで尿もれが起こるのです。

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産後の尿もれ(尿失禁)治療法は?

現在では産婦人科の主要な病気の一つとして認識され、診断法、治療法ともに急速に進歩しています。尿もれ(尿失禁)を専門に取り扱う外来がある病院もあるほどです。完治にはある程度の時間がかかるかもしれませんが、治療法としては、骨盤底筋訓練法、薬物療法などがあり、効果があることが立証されています。また、骨盤底周囲の変化の程度によっては、手術療法のほうが適している場合もあり、正しい診断を受けるためには、産婦人科を受診されると良いでしょう。

産後の尿もれ(尿失禁)や頻尿への対処法は?

出産で緩んだ骨盤底筋を鍛えることで、尿もれを改善することができます。妊娠中から尿漏れの症状があった人や、出産時に時間が比較的長くかかった人、大きめな赤ちゃんを産んだ人は骨盤底筋がダメージを受けている場合が多いので、骨盤底筋トレーニングをしてみてください。会陰の痛みや悪露が落ち着いた頃から始めて大丈夫ですが、無理は禁物です。毎日少しずつ継続してできる範囲で行いましょう。

《新聞を読みながらできるトレーニング》

1.床に膝とひじをつき、手のひらにあご乗せる
2.肛門と膣をゆっくり締め、そのまま5つ数える

《椅子に座ってできるトレーニング》

1.椅子に座って足を床につけ、肩幅に開く
2.背中をまっすぐ伸ばし、顔を上げる
3.肩の力を抜き、お腹に力が入らないように気をつけながら、ゆっくり膣と肛門を締める

《布団の中でできるトレーニング》

1.仰向けに寝て、両足を肩幅に開く
2.膝を立て、身体の力を抜く
3.肛門と膣を締め、そのままゆっくり5つ数える

頻尿のトラブルのなかでも、尿意を我慢できない症状は、切迫性尿失禁というもので、過活動膀胱といって排尿をコントロールする神経に異常が隠れていることがあります。放置せず、泌尿器科を受診しましょう。

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まとめ

産後ママの尿まれは、けして前恥ずかしいことではありません。骨盤底が緩むことで、尿もれや頻尿の症状がでてくるのです。骨盤底筋を毎日のトレーニングで引き締めることで、しだいに尿もれの症状は収まってくるとされています。ただ、尿もれや強い尿意があるのに尿量が少なかったり(過活動膀胱)、急な尿意でトイレにかけ込むあるいは漏れてしまう症状(尿意切迫感)がありましたら、泌尿器科の医師に相談されることをおすすめします。

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