無事出産を終えて、赤ちゃんのお世話に追われる日々を過ごしているうちに、ふと鏡をみると、なんだかものずごくシミが増えているように感じて、愕然とするママがいるようです。そもそも、妊娠中からシミが増えたと感じるママも多く、産後、自然と薄くなったり消えていくシミもありますが、逆に濃くなったり、増えたりするシミもあります。女性にとって、お肌トラブルは重大事件!悩みも尽きません。では、産後になぜシミが増えるのか?消えないのか?そして、できてしまったシミの原因と対処法を調べてみましょう。
産後、シミが消えないのはなぜ?
産後8ヶ月頃になると気になってきました。妊娠していた頃から、顔にシミができるようになりました。産後から今現在にかけて、さらにひどくなったような気がします。一度できてしまったシミは、とれないのでしょうか。また、シミの治療法と予防法についても教えてください。もともと色白で、以前からソバカスが出来やすい肌をしています。
妊娠中・出産後にシミが増える原因は?
妊娠中や産後によくみられるシミやそばかすは、妊娠中に増える2種類の女性ホルモンが関係していると考えられます。
★一つ目はエストロゲンです。卵胞ホルモンともよばれ、女性らしい体つきや美しい肌をつくり、保つ働きをするホルモンです。妊娠中は、このエストロゲンが多く分泌され、肌のハリに必要なコラーゲンやエラスチンを維持し、肌の老化を防ぐ役割もしています。妊娠中に増えたエストロゲンは、産後は分泌が大幅に減って、肌のバリア機能が低下し、外部からの刺激を受けやすくなるため、産後はシミが出来やすくなります。特にバリア機能が低下している肌に紫外線を浴びることはシミの大きな原因となります。
★もう一つはプロゲステロンです。黄体ホルモンともよばれ、妊娠を継続するのに必要な働きをしているホルモンです。一方で、シミの原因となるメラニンを作り出すメラノサイトを活発にしてしまうので、妊娠中の肌は特にシミが増えやすい状態になるのです。もちろん、産後はホルモンの分泌が減少しますが、ホルモンの影響を受けた体が元の状態に戻るには、半年から1年ほどかかるため、やはり産後はシミが出来やすくなるのです。
また、産後に肌のバリア機能が低下することで、シミやそばかすが出来やすい状態になるとも考えられます。それは、ホルモンバランスの変化に加えて、慣れない育児によるストレスや睡眠不足、スキンケアや紫外線ケアをする時間がなかなか取れないことなどが挙げられます。
消えやすいシミと消えにくいシミの違いは?
◉ホルモンバランスの変化によって出来たシミや肌トラブルは、ホルモンバランスが整うことで消える可能性が高いです。ホルモンバランスの変化が原因によってできた一時的なシミの特徴は
- 両頬、こめかみ、口の周り、鼻の下、額などにできる
- 左右対称にできる
- 輪郭がぼやっとしており、割と広い範囲に及ぶ
- 薄い茶色
このようなシミやそばかすは、出産からしばらくすると、ホルモンバランスと肌のターンオーバー次第で消える可能性が高いです。
◉けれども、肌のバリア機能が低下している時にできたシミは、産後も消えにくい可能性が高いです。紫外線など外的原因が加わった頑固なシミの特徴は
- 輪郭がはっきりしている
- 茶色いシミ
- 左右対称でない
このようなシミやそばかすは、すぐには消えません。少し長い期間のケアが必要になります。
妊娠中・産後にできてしまったシミの対処法は?
まずはホルモンバランスを整えることが大切
そのためには規則正しい生活とバランスのとれた食事、十分な睡眠、適度な運動、リラックスできる時間が必要となってきます。とはいっても、赤ちゃんのお世話で忙しく、自分のための時間を持つことは難しいでしょう。その時は思い切って、周りの家族や友人に頼る、サポートしてもらうことが大切です。
女性ホルモンを分泌させる食品、たとえば大豆イソフラボン(豆・味噌・大豆類)やビタミンB6(カツオ・大豆・バナナ・まぐろなど)やビタミンE(かぼちゃ・うなぎ・いくら・ナッツなど)などの、女性ホルモンの分泌を促す食品を補うことでホルモンバランスは整いやすくなります。
日焼け対策は必須
妊娠中にうけた紫外線などの刺激による肌への影響や、ホルモンバランスの乱れは産後もしばらくは続くため、しっかりと日焼け対策をする必要があります。シミやそばかすをさらに増やさないためにも、産後も日焼け止めクリームや帽子、日傘を活用した紫外線対策を徹底しましょう。日差しの強い夏だけではなく、一年を通して紫外線を防ぐ必要があります。
美容液やクリームで美白ケア
産後の肌はとてもデリケートなので、肌に優しい油溶性甘草エキスやカモミラETといった低刺激の成分を含有する美白化粧品を使って美白ケアをしましょう。特に保湿では保湿物質である「セラミド」に着目しセラミドを増やしてくれるスキンケアがオススメです。
食事でビタミンCやAを積極的に摂取
メラニンの沈着を抑制する働きをするビタミンCや、新陳代謝を促進する働きをするビタミンAを含む食品を意識的に摂取して、身体の内側からシミ対策をする方法もあります。ビタミンCは赤パプリカやブロッコリーに、ビタミンAは鰻や鶏のレバーなどに多く含まれています。
まとめ
産後にシミやそばかすが出来ても、女性ホルモンの分泌が正常化するにつれ、自然に薄くなる人もいます。ただ、産後のホルモンバランスで出来たシミが、さらに紫外線やストレスの影響をうけると、消えにくくなってしまいます。つまり、産後のシミを残さないようにするには、日頃の生活習慣や紫外線対策が大切です。
赤ちゃんが産まれてなかなか自分のスキンケアをする時間が取れないかもしれませんが、後で後悔しないようにシミ対策を忘れずにしたいですね。適度な運動を行うことも自律神経を活性化させ、ホルモンバランスを整える働きがあるので、オススメです!