インフルエンザで処方される薬には4種類あります。今ではタミフルやリレンザが処方される事は少なくなっているようですが、それぞれの特徴や使い方や気になる副作用についても調べてみました。インフルエンザの抗ウイルス薬は発症から48時間以内に服用しないと効果がないので、インフルエンザの疑いがある場合は48時間以内に病院で検査をしてもらいましょう。

スポンサーリンク

タミフル(オセルタミビルリン酸塩)

タミフル(オセルタミビルリン酸塩)はA型B型のインフルエンザウイルスの増殖を抑える効果があります。カプセル剤・散剤が一般的です。症状が出て48時間以内に服用しなければ効果がありません。数年前には、このタミフルを服用したあとの異常行動が問題になりました。タミフルは世界中で処方されていますが異常行動の報告は少なく問題になっていません。タミフルを1~2回服用後に24時間以内に数十件の報告がありますが、服用していないインフルエンザ患者の異常行動の例もあるので関連性は不明のようです。結局、異常行動の大半はインフルエンザにかかり高熱が出る事による「熱性せんもう」ではないかとされています。

「熱性せんもう」とは

・幻視:見えないものが見える
・幻聴:聞こえないはずの音が聞こえる
・急に歩いたり走り回る
・歌をうたう
・自分の手を食べ物と勘違いして食べようとする
・急に笑い出す

熱性せんもうの原因は熱により脳の温度が上がり脳波に変化が起こります。せんもうが起きている時の脳波は軽度の徐波(じょは)と速波が混ざっている状態になっているそうです。熱性せんもうは幼稚園から小学校の低学年位の子供がなりやすいとされていて、体質的なものと、子供の脳は発達途中なので未熟で不安定であるためと言われていますが、大人でも起きる可能性はあります。熱性せんもうの対処法は目を離さずに見守り、熱性けいれんの症状が出たら病院を受診します。異常行動が長く続く場合はインフレンザ脳症の可能性もあるので受診して下さい。熱性せんもうは急に歩き回ったり話しだすので驚きますが、症状はすぐに収まり後遺症を残す事はあまりないので落ち着いて行動しましょう。

タミフルの副作用として、下痢・嘔吐・吐き気・腹痛・じんましんなどがあります。軽い場合は問題ありませんが、服用後に動悸・血便・尿量の減少・意識がぼんやりするなどの体調の変化がある時は受診しましょう。

スポンサーリンク

リレンザ(ザナミビル水和物)

リレンザ(ザナミビル水和物)はA型B型インフルエンザに効果があります。リレンザは吸入薬で専用の吸入器で1日2回を5日間吸入します。インフルエンザウイルスは気道で増殖するので直接、気道に働きかけウイルスの増殖を抑えるのでタミフルに比べて即効性があると言われています。症状が軽減されていても薬を途中で止めるとインフルエンザウイルスが再び増殖してしまうこともありますから5日間忘れずに続けます。リレンザの副作用では下痢・発疹・吐き気・動機などが報告されています。

リレンザの吸入時注意点

・リレンザを吸い込む前に息を吐く
・側面の空気孔をふさがないように
・吸い込んだあとは3秒から5秒位息をとめる

などに気を付けて服用しましょう。

リレンザは治療目的だけでなく予防でも使用できます。治療の時は1日2回(ブリスター2個×2)ですが、予防の時は1日1回(ブリスター2個×1)を吸入します。4歳以下の幼児・乳児には安全性が確率していない為処方されません。

子供も使用できるリレンザですが、しっかりと吸い込むのは意外と難しいようです。コツは吸い込む前に息を吐ききること。息を吐ききったら、すばやくリレンザを吸い込みます。リレンザは食事の影響を受けないので食事に関係なく吸入できますが、服用忘れを防ぐために朝食後・夕食後と指定される事もあります。

イナビル(ラニナミビル)

イナビルの特徴は長時間効果が持続する薬なので1回の使用で完了することです。タミフル・リレンザは5日間使用しなくては効果が持続しませんから、症状がなくなっても服用しなければならず飲み忘れてしまう事もありましたが、1回ですむイナビルが製造されるようになるとインフルエンザの治療薬として一気に広まりました。発症後48時間以内に服用しなければ効果はありません。副作用は下痢・めまい・悪心・胃腸炎・じんましん、等が報告されています。重篤な副反応はほとんどありませんが、ショック・アナフィラキシー症状がある時はすぐに病院に行きましょう。

イナビルも治療目的だけでなく予防目的にも使用できます。イナビルは医師の処方箋が無くては購入できません。予防目的で処方してもらうのは家族や同居している人がインフルエンザにかかっている場合です。イナビルは1回の使用で効果がありリレンザやタミフルに比べ熱が下がるのが早いと言われています。熱が早く下がってもインフルエンザウイルスが排出されていますから外出は控えましょう。

ラピアクタ点滴薬(ペラミビル)

ラピアクタは点滴で投与する薬で口から服用することが難しい場合に使用されます。発症から48時間以内に投与しなければ効果はなく、タミフル・リレンザ・イナビルのように予防で投与することは出来ません。ラピアクタの副作用は下痢・蛋白尿・好中球減少です。好中球減少とは細菌等の感染を防ぐ働きをしている白血球の構成成分の一種である好中球が減少する事です。副作用は下痢・発疹・血圧低下・呼吸困難などがあります。イナビルと同じく一度の投与で効果があります。

スポンサーリンク

まとめ

タミフル・リレンザ・イナビル・ラピアクタはインフルエンザウイルスの増殖を抑える薬なので、直接的な解熱などの効果はありません。解熱剤も一緒に処方されるのはそのためです。熱が高くなると辛いので解熱剤を使いたくなりますが、アスピリン系の解熱剤は「インフルエンザ脳症」を発症させる危険があるのでカロナールなどのアセトアミノフェンの解熱剤を使用しましょう。

スポンサーリンク

インフルエンザに関する記事一覧

インフルエンザに関連する記事一覧
インフルエンザの種類・特徴に関する情報
インフルエンザの症状に関する情報
インフルエンザの潜伏期間に関する情報
インフルエンザの流行時期に関する情報
インフルエンザの予防接種に関する情報
インフルエンザの予防・対策に関する情報
インフルエンザの検査に関する情報
インフルエンザの出勤・出席停止に関する情報
インフルエンザの薬に関する情報