インフルエンザに感染してしまったら高熱がでて関節痛や倦怠感、頭痛などの辛い全身症状がありますし、子供や高齢者は脳症・脳炎や肺炎など重症化する事もあり心配です。インフルエンザの予防には予防接種がありますが、どのくらいの効果があるのか、一番良い接種の時期はいつか、心配な副作用はどんなものがあるのか、アレルギーがある場合は、などについて調べてみました。
予防接種の効果はどれくらいか
インフルエンザの予防接種は感染を予防するものではなく、発症を抑えて重症化を防ぐのが目的なので予防接種をしても感染してしまう事があります。また、自分自身への効果だけでなく、アレルギーや持病などでワクチンを接種できない人への感染予防の効果もあります。
インフルエンザ予防接種の小児有効率は約30%位といわれています。これはワクチンを接種した人たちはワクチンを接種しなかった人達に比べて発病する人が30%少なかったという意味です。例えば予防接種した人100人と、予防接種しなかった人100人では接種した人達では14人インフルエンザにかかり、ワクチンを接種しなかった人達では20人かかるという事です。
予防接種を受ける最適の時期は?
予防接種をしてもすぐには効果はありません。インフルエンザワクチンを接種してから1~2週間かけて抗体が作られます。抗体ができる前に感染すると発症してしまいますから逆算して接種の時期を決めます。インフルエンザは毎年12月頃から流行り初めることが多いですね。予防接種後1ヶ月くらいが抗体のピークと言われていて3ヶ月位から低くなっていき、効果が続くのは5ヶ月程度と言われています。乳幼児はこれより1ヶ月程度短くなるとされています。これらを考えると12月の始めには接種をすませておいた方がいいでしょう。
予防接種の副作用
インフルエンザのワクチンは「不活化ワクチン」という化学処理をすることで感染性をなくしたもので安全性は高いと言われていますが副作用は報告されています。インフルエンザワクチンの副作用は軽度のものであれば約10~20%の人に起こるといわれています。
・接種した所の腫れ、かゆみ
・接種した所が赤くなる
・疼痛
などが軽度の副作用で、2、3日で消失するのが一般的です。5~10%の人には全身の副作用があらわれますが、これらも2、3日でなくなるといわれています。
・発熱
・頭痛
・嘔吐
・下痢
・倦怠感
・めまい
・リンパ節の腫れ
まれに重篤な副作用も起こります。
・アナフィラキシー反応
・急性散在性脳脊髄炎(脊髄を中心とする中枢神経に炎症がおき呼吸困難などになる)
・キランバレー症候群(手足の筋力が低下し動かなくなったり、顔面や呼吸筋の筋力低下もみられる)
・肝機能障害
・喘息発作
予防接種を受けた後、30分くらいは副作用の心配があるので病院とすぐに連絡がとれる状態にしておきましょう。ほとんどの副作用は接種後24時間以内に起こりますが、いつもと違う様子や異常があった時はすぐに受診して下さい。
予防接種の値段
インフルエンザの予防接種の料金は各医療機関ごとに設定ができるのでそれぞれ違います。インフルエンザの予防接種は自由診療になるので10割自己負担になりますが、地域によっては高齢者には補助金がでる場合もありますから役所・病院などに聞いてみるといいと思います。自治体の他にも健康保険組合や会社でも補助金を支給している場合もあります。
価格に違いがあるインフルエンザワクチンですが使われているワクチンの効果は同じなので心配はいりません。価格の差は人件費・仕入れ先などによるものと考えられます。
2014年度以前はA型インフルエンザを2タイプとB型インフルエンザ1タイプの3タイプ混合のワクチンでしたが、2015年度からはA型インフルエンザ2タイプとB型インフルエンザ2タイプの4タイプの混合ワクチンになったので2015年度から500円程度値上がりしています。
卵アレルギーでも大丈夫?
ワクチンを作る時に卵の成分を使っていて、高度に精製されていますがごく微量の鶏卵由来成分が残っているので、アレルギー症状がまれに起こる事もあります。インフルエンザにかかった時のリスクと予防接種でアレルギー症状がでた時のリスクを比べてかかりつけの医師に充分相談して判断をして下さい。
予防接種は1回か2回か
インフルエンザワクチンを接種できるのは生後6ヶ月からで、6ヶ月~13歳未満の子供は2回接種します。
インフルエンザの予防接種は1回よりも2回の方が効果は高くなります。13歳未満は2回接種で13歳以上は1回接種とされていますが喘息や糖尿病などの持病があったり免疫力が著しく低いと判断された場合は2回の接種が推奨されています。
高齢者は免疫が下がりやすいという報告もあり、1回の接種では心配な場合もあるかもしれません。補助金がでるのは1回だけでも2回受けてはいけないわけではないので自費で2回めの接種を受ける事もできます。
まとめ
インフルエンザウイルスは毎年変異していて、その年に流行すると思われる型を予想してワクチンを作るので毎年接種する事になります。せっかく接種しても効果が発揮できなければ無駄になってしまいますから接種を受ける時期にも気を付けたいですね。インフルエンザの予防接種は完全予約制の医療機関が多いので接種を希望している時はあらかじめ予約をすることを忘れずに!
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