冬に突然の高熱が出たらインフルエンザを疑いますよね。できることなら病院へ行くべきですが、病院が休みだったり、土日の夜中だったりと、どうしてもすぐに病院へ行けないことありますよね。発熱と共に全身の倦怠感に頭痛と、きつくてたまらない時、何とかしたいと、市販の解熱鎮痛剤を飲もうと悩んだ事はありませんか?
インフルエンザに感染したときに飲んでいい市販の解熱剤と、飲んではいけない解熱剤があります。飲んではいけない解熱剤を飲むとインフルエンザ脳症・脳炎にかかる可能性が高くなります。
今回はインフルエンザの解熱に市販薬で使える薬と使えない薬について調べてみました。
インフルエンザの発熱時はまず病院へ
インフルエンザによる発熱や痛みを発するというのは、身体がウイルスと闘っているということです。一般的な風邪と比べると激しい痛みを伴う場合が多いとされるインフルエンザですが、痛みをなんとかしたいと思い、自己判断で市販薬の解熱剤を飲むことはおすすめできません。市販の解熱剤や鎮痛剤を飲んで、無理に熱を下げたり、痛みを取ろうとすると、治りを遅らせてしまうこともあります。
またインフルエンザに罹った時にむやみに頭痛薬や解熱剤を使用すると、合併症を引き起こす可能性があるので、どうしても市販薬を使わなければならない時は病院へ行くまでの応急処置として使用するようにしましょう。
インフルエンザの発熱に使える解熱剤と使えない解熱剤
インフルエンザの可能性がある時は、まず医療機関で診察を受けることが最優先です。しかし、土日などで医療機関が休みなどの理由からすぐに診察を受けられない場合、どうしても解熱剤を使用したい時は、市販の解熱剤でも使用できるものがあります。しかし、インフルエンザの時に使用したらいけない解熱剤もあるので注意が必要になります。
インフルエンザに使える解熱剤
インフルエンザの時に使用する解熱剤で最も推奨せれているのはアセトアミノフェンを成分とする製剤で、日本小児学会も推奨しています。しかし市販薬はアセトアミノフェン、イブプロフェンともに、単一成分だけでなく複数の成分が含まれて販売されているケースが多いので、もしインフルエンザに使用する場合は、解熱剤以外の成分は含まれていない方が適正です。
しかし市販薬によってはインフルエンザにはやや危険と言われているサリチル酸系のNSAIDLs成分が含まれている可能性もあるので、総合感冒薬などの複数の成分が含ませているものは避け、単一成分の市販薬を選ぶようにしましょう。
使用できる成分 | 処方薬 |
---|---|
アセトアミノフェン製剤 | ・タイレノールA ・カロナール ・アンヒバ ・小児用バファリン |
イブプロフェン製剤 | ・イブ ・リングルアイビー |
※解熱鎮痛剤の代表的なロキソニンなどのロキソプロフェン製剤に関しては、特に推奨もせれていませんが、特別な注意喚起もされていません。明確に避ける理由はありませんが積極的な使用は望まれません。また小児に関してはロキソニンは使用できない薬になっています。
インフルエンザに使える解熱剤5選:市販で買えるもの
★アセトアミノフェンを含む製品
アセトアミノフェンは、脳の中枢神経に作用し、痛みや熱をおさえる作用があります。副作用や合併症などを引き起こすリスクが他の薬に比べて低いので、日本小児学会などからも推奨されています。
【第2類医薬品】タイレノールA
・インフルエンザの症状:頭痛、悪寒、発熱、身体全体の痛みなどに効果が期待できます。
・空腹時にも飲めます(風邪による悪寒・発熱時はなるべく空腹をさける)
・成人(15歳以上)・・1回錠、1日3回まで。服用間隔は4時間以上あけます。
・15歳未満・・服用できません。
タイレノールA 10錠
・悪寒・発熱時の解熱
・歯痛、頭痛、打撲痛、咽頭痛、関節痛、腰痛、筋肉痛月経痛などの身体全体の痛みなどに効果が期待できます。
・薬の「苦味」が少なく、子どもが飲みやすいオレンジ味。
・錠剤が苦手な子どもでも口の中で溶けてのみやすい。
《なるべく空腹時を避け、1日3回がまで。服用間隔は4時間以上あけます》
・3歳~7歳未満・・2錠、・7歳~11歳未満・・3錠、・11歳~15歳未満・・4錠
・3歳未満は使用できません
小児用バファリン チュアブル
・悪寒、発熱時の解熱
・歯痛、頭痛、打撲痛、咽頭痛、関節痛、腰痛、筋肉痛月経痛などの身体全体の痛みなどに効果が期待できます。
・眠くなる成分が入っていない
・のみやすいフルーツ味で小粒の錠剤
《なるべく空腹時を避け、1日3回まで。服用間隔は4時間以上あけます》
・3歳~7歳未満・・3錠、・7歳~11歳未満・・4錠、・11歳~15歳未満・・6錠
・3歳未満は使用できません
小児用バファリン CII 48錠
★イブプロフェン単一成分の薬
【第2類医薬品】イブA錠
・主成分がイブプロフェンの薬
・インフルエンザの症状:頭痛、悪寒、発熱時の解熱、咽頭痛、関節痛、筋肉痛などの痛みや熱にすぐれた効き目が期待できる。
・15歳以上・・1回2錠。
《なるべく空腹時を避け、1日3回まで。服用間隔は4時間以上あけます》
・15歳未満・・服用できません。
イブA錠(48錠)
★イブプロフェン配合の薬
【第2類医薬品】リングルアイビー
・イブプロフェンを配合した小粒のジェルカプセルです。
・インフルエンザの症状:頭痛、悪寒、発熱時の解熱、咽頭痛、関節痛、筋肉痛などの痛みや熱にすぐれた効き目が期待できる。
・成人(15歳以上)・・1回1錠。
《なるべく空腹時を避け、1日3回まで。服用間隔は4時間以上あけます》
・15歳未満・・服用できません。
リングルアイビージェルカプセル
インフルエンザに使えない市販薬
解熱鎮痛剤の中には、インフルエンザのときに使用すると重篤な合併症であるインフルエンザ脳症や脳炎を引き起こす可能性の成分が含まれているものがあります。
使用できない成分 | 処方薬 |
---|---|
サリチル酸系製剤 | アスピリン、バファリン |
ジクロフェナクナトリウムを含む製剤 | ボルタレン、ブレシン(飲み薬は市販されていない) |
メフェナム酸製剤 | ポンタール(市販されていない) |
サリチル酸系・ジクロフェナクナトリウム・メフェナム酸これらの成分が入った解熱剤はインフルエンザ脳症にかかるリスクが高いので絶対に飲んではいけません。インフルエンザに罹っている時に使ってはいけないとされています。
その中でもサリチル酸系解熱鎮痛薬は市販でも多数の市販薬に含まれているので、注意が必要です。また同じブランド名の中でも、インフルエンザに使用できる成分と使用できない成分が混在しているケースもありバファリンシリーズでは、小児用バファリンはインフルエンザに使えますが、バファリンAはインフルエンザには使用できませんので注意する必要があります。
インフルエンザの可能性がある場合:自己判断で解熱剤の使用はしない!
インフルエンザの発熱時や可能性がある場合は自己判断で解熱鎮痛剤を服用することは避けるべきです。もしインフルエンザの可能性がある時は病院で検査を受けて抗インフルエンザ薬を処方してもらうことが大切です。市販の解熱剤を服用するのは、どうしてもやむおえず、すぐに病院へ行けない時などの応急処置として服用する対症療法です。
解熱剤を子どもに安易にあげるのは危険
サリチル酸系のアスピリンやサリチルアミド、エテンザミドに関しては、ライ症候群(急性脳症・肝臓の機能異常)との関連性が指摘されています。特に小児においてはインフルエンザの時は原則投与しないことが注意喚起されています。
まとめ
インフルエンザで高熱が出るのは身体がウイルスと闘っているからです。解熱剤を服用することで熱が下がり過ぎてインフルエンザの症状が悪くなってしまうこともあります。また解熱剤を飲んだからといってインフルエンザが治るというわけではないので、症状がつらい時は早めに病院へ行き診察してもらい適切な処置をしてもらいましょう。
市販薬の解熱剤は手軽ですが、インフルエンザの時には使えない解熱剤もあるので注意が必要です。
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