毎年12月~3月になると流行を繰り返すインフルエンザ。インフルエンザにかかってしまった場合、特徴として急な38℃以上の発熱、喉の痛みや咳、頭痛、関節痛や筋肉痛、倦怠感などの症状が現れます。特に発熱は2日~4日ほど続くことが多く、とても辛い日々をおくることになります。

辛い症状を少しでも軽くしたいので、とりあえず家にあった解熱剤を飲んでおこう!と思う人も少なくないと思います。それに、インフルエンザの症状は風邪とよく似ている為、風邪と思い込んで解熱剤を飲んでしまうケースもあるかもしれません。

しかし、家にある解熱剤を自己判断で飲んでも大丈夫なんでしょうか?

今回は、解熱鎮痛剤として有名な「バファリン」について、インフルエンザで高熱がでた場合に服用しても大丈夫なのか?市販の解熱鎮痛薬の選び方について調べてみました。

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インフルエンザ発症時に解熱鎮痛薬の服用は注意すべき

身体が発熱するのには理由がある

風邪やインフルエンザなどのウイルスや細菌が体内に侵入すると、それらの病原体と戦う為に体内の免疫が働きはじめ、その過程で発熱が起こります。なぜ発熱するのかというと、ウイルスなどの病原体にとって高温の時の方が増殖しにくく白血球の働きが活発になり免疫機能が高まる為といわれています。

つまり、発熱することは体内で起こる正常な免疫反応であり、無理に下げない方が良いのです。

解熱鎮痛薬を使う時の体温は何℃以上が良い?

解熱鎮痛薬は熱や痛みをとるお薬ですので、インフルエンザウイルスや風邪のウイルスに効く効果はありません。38.5℃以上の熱があって元気がなく、ぐったりしている場合に解熱鎮痛薬を使用しても良いでしょう。

しかし、熱を下げてくれる解熱鎮痛薬にも使用しても良いものと、避けるべきものがあります。

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インフルエンザの解熱にバファリンAは避けるべき

頭痛、発熱、生理痛や歯が痛むときなどに市販の解熱鎮痛薬を飲むことがありますよね。皆さんも一度は耳にしたことがあると思いますが、有名な解熱鎮痛薬の1つに「バファリン」があります。バファリンは頭痛・発熱・生理痛以外に肩こり痛や腰痛にも優れた鎮痛効果を発揮してくれるお薬です。

しかしながら、インフルエンザが疑われるような時の服用には注意が必要になります。なぜ、バファリンの服用に注意が必要なのでしょうか?

アスピリンとライ症候群の発症に関連がある

市販されているバファリンにはたくさんの種類がありますが、早く効いて胃にやさしいと謳われる解熱鎮痛薬「バファリンA」の主成分はアセチルサリチル酸(アスピリン)です。

紀元前400年ほど前、柳の樹皮を使って痛みや熱を軽減させていた記録があるほど、古くから柳の樹皮や葉には鎮痛作用があることが知られていました。その柳の木からサリチル酸が作られ、その後副作用の少ないアセチルサリチル酸が製造され、世界中で広く使用されるようになりました。

しかし、インフルエンザに感染した小児が解熱にアセチルサリチル酸(アスピリン)を服用すると、稀ですが急性脳症や肝臓の機能異常が起こるライ症候群を発症する可能性があるといわれています。ライ症候群は数日で死亡することも重大な病気であり、回復したとしても神経系の後遺症を残すことがあります。はっきりとした原因はまだわかっていませんが、インフルエンザや水痘にかかったお子様にアスピリンが含まれた解熱剤を使用してはいけません

バファリンAは15歳以上の大人向けの解熱鎮痛薬ですので、15歳未満のお子様に服用させてはいけません。半分に割ったりしてもダメです。ちなみにAはAdult(大人)という意味だそうです。アメリカ食品医薬品局 (FDA) などにおいてはアスピリンおよびそれを含む製品を熱の出た19歳未満の子供に与えることは推奨していない為、15歳を過ぎていてもインフルエンザの発熱時においてはバファリンAは服用しないほうが良いでしょう。

インフルエンザの解熱剤として安全性が高いのは?

風邪やインフルエンザに使用される解熱鎮痛薬はアセトアミノフェン(カロナールなど)が主体になっています。比較的安全性の高いお薬であり、小児用の解熱鎮痛薬に使われています。解熱効果が少し弱く、体温が1℃~2℃ほど下がれば効果があったと考えて良いでしょう。

インフルエンザで使えるバファリンもある

バファリンAはアスピリンが含まれている為、インフルエンザ発症時の解熱鎮痛薬として使うのは避けた方が良いとお伝えしましたが、バファリンには色々な種類があり、アスピリンが含まれていないタイプもあります。

バファリンプレミアム 40錠


バファリンプレミアム
比較的安全性の高いイブプロフェンとアセトアミノフェンを1:1の割合で配合し、鎮痛補助成分である無水カフェインとアリルイソプロピルアセチル尿素も配合された解熱鎮痛薬です。

独自技術クイックアタック錠により速く溶けて効く。15歳未満の子供は服用できません。

バファリンルナi 60錠


バファリン ルナi
比較的安全性の高いイブプロフェンとアセトアミノフェンを1:1の割合で配合し、眠くなりにくい解熱鎮痛薬です。

15歳未満の子供は服用できません。

バファリンルナj 12錠


バファリン ルナJ
7歳以上から服用できます。1錠中にアセトアミノフェン100mgを配合。

水なしで飲めるチュアブル錠タイプで苦くないフルーツ味です。眠くなりにくいので授業中でも安心ですね。

小児用バファリンCⅡ 16錠


バファリン CII 16錠
3歳以上から服用できます。1錠中にアセトアミノフェン33mgを配合。

飲みやすいフルーツ味で小粒の錠剤タイプです。眠くなりにくい解熱鎮痛薬です。

小児用バファリンチュアブル 12錠


小児用バファリン チュアブル
3歳以上から服用できます。1錠中にアセトアミノフェン50mgを配合。

水なしで飲めるオレンジ味のチュアブルタイプです。

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まとめ

風邪やインフルエンザを発症すると発熱しますが、発熱は体内で起こる正常な免疫反応になります。ですので、無理して解熱鎮痛薬を服用し、熱を下げる必要は無いのです。しかし、深夜で病院に行けない場合や、38.5℃以上で元気がなくぐったりしているような場合は、病院でも処方されるアセトアミノフェンが配合された解熱鎮痛薬を服用しても差し支えないでしょう。

インフルエンザ発症時にアスピリンが含まれた解熱剤を使用すると、ライ症候群などのインフルエンザ脳症を引き起こすことがあります。主に15歳未満の小児が発症しやすいとされていますが、15歳以上であっても避けるべきです。

市販された解熱鎮痛薬は、配合された成分をしっかりと確認し、用法・用量を守って使用するようにしましょう。

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