毎年12月~3月頃にかけて流行するインフルエンザ。同じ時期に風邪をひいてしまうと、インフルエンザなのか風邪なのか見分けがつかないこともありますよね。インフルエンザにかかっているかどうかは、医師が症状や周辺の流行状況、医療機関で迅速診断キットを用いた検査や血液検査などで総合的に判断を下します。
症状がでたらすぐに病院に行くのが1番良いのですが、深夜などですぐに病院に行けない時もありますし、病院に行くほど症状が悪化してない場合もありますよね。そんな時はインフルエンザか風邪かを初期症状で見分け、対処しましょう。
今回は、インフルエンザと風邪の見分け方や、違いや初期症状のあらわれ方ついて紹介します。
インフルエンザと風邪の違いとは?
インフルエンザはインフルエンザウイルスによって引き起こされる感染症です。風邪は様々なウイルスや細菌によって引き起こされる喉や鼻におきる炎症です。風邪は1年中を通じてかかることがありますが、インフルエンザは12月~3月の寒い時期に流行しかかりやすくなります。
また、空気が乾燥し鼻や喉の粘膜が乾燥すると、病原体防御機能が低下しウイルスや細菌に感染しやすくなるため、空気が乾燥する冬はどちらにもかかりやすくなる季節になります。
風邪 | インフルエンザ(季節性) | |
---|---|---|
原因 | ライノウイルス、コロナウイルス 細菌、マイコプラズマなど |
インフルエンザウイルス A型・B型 |
流行する時期 | 1年中 | 12月~3月の冬季 |
インフルエンザウイルスにはA型・B型・C型があり、毎年流行するのはA型とB型です。A型には144種類もの亜型といわれる型があり、人以外の豚や鳥などにも感染します。A型で毎年流行するのはA香港型(H3N2)とA2009年新型(H1N1)の2種類です。これらのウイルスは毎年のように小さい突然変異をし、少しずつ形を変えています。B型インフルエンザウイルスは山形型とビクトリア型の2種類が流行します。こちらもA型ほど速くはありませんが、一定の間隔で突然変異を起こします。
インフルエンザにかかると身体は免疫を獲得するため、再び同じインフルエンザにはかからなくなりますが、突然変異して形を変えたインフルエンザに対しては免疫が働かず、再び感染してしまう可能性があります。
インフルエンザと風邪の症状の見分け方
インフルエンザにかかった時の症状の特徴は、突然の38℃以上の高熱や頭痛、関節痛や筋肉痛、倦怠感など全身に強い症状が現れ、のどの痛みや鼻水、咳なども見られることがあります。さらに、小さいお子様や高齢者の方、呼吸器に慢性の持病を抱えた方などはインフルエンザにかかると肺炎や急性脳症を発症し重症化することもあり、注意が必要になります。
風邪もウイルスによって引き起こされる感染症ですが、インフルエンザのように急に全身に強い症状は現れず、のどの痛みや鼻水、くしゃみなど局所的であり、発熱しても39℃を超えない程度で済むことが多く、重症化することはほとんどありません。
風邪 | インフルエンザ | |
---|---|---|
症状のでる場所 | のどや鼻 | 全身にでる |
進行のしかた | ゆっくり | 急激 |
発熱 | 37℃~38℃程度 | 38℃~40℃の高熱 |
鼻水 | ひき始めにでる | 後からでる |
せき | でる | でる |
頭痛 | ある | 痛みが強い |
関節痛・筋肉痛 | 少ないか無い | 痛みが強い |
嘔吐 | 少ないか無い | B型インフルエンザに多い |
また、インフルエンザの潜伏期間は1日~3日と短く、周りでインフルエンザが流行っていたり、人混みに出かけたりした後に突然の高熱があらわれた場合は、インフルエンザを疑った方が良いでしょう。もしもインフルエンザにかかっていた場合は、高熱が2日~4日ほど続くことがあり非常に辛い症状に悩まされることがあります。なるべく早く医療機関を受診しましょう。
ただ、深夜だった場合や、状況によって直ぐに医療機関を受診できないこともあります。
深夜や休日などで近くの医療機関を受診できない場合は
小さなお子様の場合、小児救急電話相談ができます(♯8000)。全国統一の短縮番号になり、電話をかけると各都道府県の相談窓口に転送され、小児科医や看護師さんから対処の仕方や受診する病院についてのアドバイスを受けることができます。
相談することで保護者自身も冷静になり、落ち着きますよ。
高熱を下げる解熱剤を使うか迷ったら
高熱は身体の免疫機能が働いている証拠であり、ウイルスが増殖しにくくなり白血球などの免疫細胞が活発になりますので、無理に下げようと解熱鎮痛剤を服用しないようにしましょう。しかし、38.5℃以上で元気がなく、食欲も無くぐったりしているような場合に服用するとよいでしょう。
解熱鎮痛薬に含まれてる成分は、比較的安全性の高いアセトアミノフェンが配合されたものを使うようにしましょう。インフルエンザ発症時に解熱剤のアスピリンをお子様に与えると、ライ症候群を発症する可能性が報告されているため、アスピリンが含まれた解熱剤は与えないようにしましょう。
インフルエンザと風邪の予防をしよう!
インフルエンザと風邪の予防になる特効薬はありません!あったら教えて欲しい・・のですが、どちらにも共通していることは感染経路になり、それを断つことにより予防できます。
インフルエンザと風邪は飛沫感染と接触感染により感染します。飛沫感染は、患者の咳やくしゃみなどで飛んだ飛沫(水滴)が直接鼻や口の粘膜に届き、その中に含まれた病原体が体内に侵入してしまうことで感染します。接触感染は例えば、患者が鼻をかんだ後に手指に病原体が付着し、ドアノブを触ることによって感染が広がります。
日々の生活で細かなケアが風邪やインフルエンザの予防につながります。
外から帰ったらうがい、石鹸で手洗いを行う
外出先では携帯用の消毒用アルコールを常備し、手指をこまめに殺菌 人混みや外出先ではマスクを着用する 室内では湿度50%~60%を心がける |
インフルエンザは予防接種を受けましょう
インフルエンザの発病をある程度防ぐことができ、重症化を防ぐ効果が期待できます。我が子の場合、予防接種を受けた年はインフルエンザに感染しませんが、受けなかった年はほとんど感染し発病しています。小さなお子様や高齢者の方は特に重症化しやすい為、予防接種を受けて備えましょう。
インフルエンザの予防接種は多くの医療期間で10月上旬から開始されます。これまでの感染や発病の有無にかかわらず、インフルエンザウイルスにさらされている大人の場合は免疫をある程度獲得している可能性があり予防接種は1回で済みますが、13歳未満のお子様は2回、予防接種を受けることになります。
予防接種(13歳未満は2回目)してから免疫がつくまでに2週間程度かかり、その効果は5ヶ月間ほどといわれています。
予防接種を受ける時期は流行し始める12月上旬までに済ませておくのが良いでしょう。
まとめ
インフルエンザと風邪の症状の違いや見分け方について紹介しました。インフルエンザにかかった場合の大きな特徴は急な38℃以上の発熱です。また、併せて筋肉痛や関節痛を起こしやすいのが風邪との違いになります。風邪もインフルエンザも身体の抵抗力(免疫)によって自然治癒は可能ですが、症状が長引く可能性がありますし、他の感染症にかかってしまうこともあります。特にインフルエンザは合併症を起こし重症化することもあるため、なるべく早めに医療機関を受診するようにしましょう。
感染しないようにするには、外出先ではマスク着用を心がけ、帰宅したらうがい、手洗いなどを行い、のどや鼻がなるべく乾燥しないよう室内の湿度コントロールも行いましょう。風邪の予防接種はありませんが、インフルエンザには予防接種という強い味方がいます。かかっても軽症で済む場合があるため、なるべく予防接種を受け、感染と発病の予防につとめましょう!
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