インフルエンザに罹った時、抗インフルエンザ薬を服用したのになかなか熱が下がらずに心配したことはありませんか?症状が1週間以上続く場合は合併症の可能性も疑われます。今回はインフルエンザでなかなか熱が下がらない原因とその時の対処法をまとめてみました。

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インフルエンザの熱の特徴

インフルエンザに感染すると潜伏期間後、突然38℃前後の高熱がでます。これはインフルエンザウイルスに抵抗しようと起こるものです。急激に症状が進み発熱による悪寒や頭痛、倦怠感などの全身症状が現れます。通常インフルエンザの熱は2~5日間ほど続きウイルスの排出と共に治っていきます。

しかし免疫機能の低下している高齢者の方は高熱が10日以上続いたり、乳幼児は一度熱が下がっても、また熱が上がったりすることもあります。

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インフルエンザの熱が下がらない原因

インフルエンザを発症し、熱が下がらない原因として以下のような事が考えられます。

・発熱から48時間以内に抗インフルエンザ薬を服用できなかった

抗インフルエンザ薬は、インフルエンザウイルスの増殖を抑える効果があります。そのため、インフルエンザを発症してウイルスがピークになる48時間以内に、抗インフルエンザ薬を服用するしなければなりません。48時間以内に服用することで、ウイルスの増殖と発熱を抑えることができ、発熱期間が通常より1~2日間ほど短縮され、ウイルスの排出量も減少するので、軽い症状のまま2~3日で治癒します。

しかしウイルスの量がピークに達した48時間以降に抗インフルエンザ薬を服用した場合、薬の効果があまり期待できないので、5日間ほどは高熱が続く可能性があります。

・肺炎などの合併症を起こしている

一般的にインフルエンザによる発熱は2~5日ほどで下がります。しかし、1週間以上の熱が続く場合は、合併症を起こしている可能性があるので再受診しましょう。インフルエンザの合併症としては、気管支炎、肺炎、脳症、胃腸炎、中耳炎などがあります。

インフルエンザで熱が下がらない時の対処法

インフルエンザを発症して48時間以内に抗インフルエンザ薬を服用したけど、熱が高く下がらないのはウイルスと身体が闘っているからです。しかし高熱で辛い症状の場合なんとかしたいですよね。そんな時の対処法は次のとおりになります。つらい症状が楽になります。

高熱の時は、大きな血管が通っているところを冷やす

高熱が出た時や体を冷やしたい時は、身体の大きな血管が集まっている首の周りわき足の付け根の内側を冷やしましょう。血管を冷やすことで体を循環する血液を冷やし体の内部の熱を緩和させます。また首の周りやわきの下、足の付け根の内側にはリンパも集まっており、リンパの熱を下げることにより、免疫機能が高まると考えられます。

市販薬は自己判断で使用すると危険です

インフルエンザによる発熱や痛みを発するのは、身体がウイルスと闘っているからです。市販の解熱剤や鎮痛剤を飲んで、無理に熱を下げたり、痛みを取ろうとすると、治りを遅らせてしまうこともあります。また解熱鎮痛剤の中には、インフルエンザのときに使用すると重篤な合併症であるインフルエンザ脳症や脳炎を引き起こす可能性の成分が含まれているものがあります。

どうしても市販薬を使わなければならない時は病院へ行くまでの応急処置として使用するようにしましょう。

インフルエンザの解熱に市販薬は使える?

水分補給はこまめに

発熱時は発汗により体の水分がどんどん失われます。脱水症にならないように、こまめな水分補給が大切になります。吸収しやすいように常温のスポーツドリンクやミネラルを含んだ麦茶などが良いでしょう。また最近では薬局などで販売されているOS-1のような経口補水液もおすすめです。

汗をかいたらすぐに着替える

熱が上がっていく間は悪寒や寒気を感じます。寒いと感じる間はとにかく温かくしましょう(布団を重ねたり、湯たんぽを入れたり)。

体温が上がりきると、体が温まり、汗をかくようになります。この汗をタオルで拭いたり、下着やパジャマを着替えたりして熱が逃げやすい状態を保ちます。汗をそのままにしておくと冷たくなった衣類などから体温が奪われ、せっかく体が温まり、免疫力が回復しかかっていたのに逆効果になってしまいます。

熱が下がらない場合は再受診する

1週間を超えても熱が下がらない場合は、合併症の可能性が高いので再受診しましょう。

インフルエンザによる合併症について

インフルエンザの合併症でもっとも多いのが「肺炎」です。インフルエンザで死亡する原因のうち、90%は肺炎によるものといわれています。5歳以下の乳幼児では、まれに脳炎や脳症をおこすこともあり、その他には、中耳炎、結膜炎、副鼻腔炎などを引き起こすこともあります。

【肺炎】

発熱と合わせて咳や痰がでる・呼吸が苦しいなどの症状がある場合は肺炎の可能性があります。原因はインフルエンザウイルスが肺に入って起こる場合と、免疫力が低下している時に細菌感染して起こる場合があります。どちらの場合も症状が長引き、重症化しやすく自然治癒は難しいので、病院で適正な治療を受けましょう。

【気管支炎】

発熱に加えて激しい咳が続く場合には、気管支炎を併発している可能性があります。気管支炎と肺炎は症状が似ているので、自分では判断はできません。病院でX線検査を受け、陰影がみられるなら肺炎、陰影がみられないなら気管支炎という診断になります。自然治癒は難しいので、肺炎、気管支炎が疑われる場合は、内科か呼吸器科を受診したほうが良いでしょう。

【中耳炎】

発熱と合わせて耳に痛みや膿が出てくる場合は中耳炎を併発している可能性があります。インフルエンザウイルスが鼻の奥から耳に入ってくることで、中耳炎も発症することがあります。高熱が出て耳が痛い!時には中耳炎を疑って下さい。熱は3日程度で治まりますが、中耳炎の治療には程度にもよりますが2~3カ月程かかります。症状が疑われる時には早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。

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あとがき

インフルエンザの発症から1週間経過しても熱が下がらない場合は合併症の可能性も考えてみましょう。インフルエンザ自体はウイルスが排出されれば自然に治るものです。しかし合併症に罹った場合は適切な治療が必要になります。

特に小さな子どもさんや高齢者の方は合併症を起こしやすいと言われます。合併症は重い症状のものが多いため、少しでもおかしいなと思ったら、早めに病院で受診して下さい。

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