毎年12月~3月の寒い時期になって流行するインフルエンザ。インフルエンザにかかった時の特徴的な症状は、急な38℃以上の高熱です。しかし、人によっては平熱のままであったり、微熱で済むような症状の軽い人もいます。
しかし、微熱など症状が軽い場合でもインフルエンザを発症している可能性もあります。微熱程度であれば、風邪だと思ってしまい病院にいかずに放置し、症状が悪化してしまったり、周囲にインフルエンザをうつしてしまうリスクがあります。
今回は、インフルエンザに感染しても微熱や熱がでない理由についてや、病院での検査が必要なのかどうかについて詳しく調べてみました。
インフルエンザにかかっても熱がでないor微熱の時がある
インフルエンザといえば急に高熱がでるというイメージがありますが、微熱や熱がでないなどの症状が軽くてもインフルエンザを発症している可能性があります。インフルエンザは風邪に比べて感染力が非常に強く、小さなお子様や高齢者の方は特に重症化しやすい感染症です。周りでインフルエンザが流行っている時は注意しましょう。
インフルエンザにかかった時に現れる症状には、
関節痛、筋肉痛、身体のだるさ、頭痛、のどの痛み、咳、鼻詰まりや鼻水、寒気、悪寒、脈が早い、症状が2、3日続いているなどがあります。
熱が低ければ風邪かもしれない・・と思ってしまいがちですが、微熱や熱がでていない場合でも、インフルエンザかどうかを見分けるポイントがあります。
1.いつもより全身がだるい、筋肉痛、関節痛がある
2.いつもより寒気を強く感じる
3.いつもより頭痛が強くつらい
4.自分の周りにインフルエンザにかかった人がいる
上記のような症状があてはまる場合や、潜伏期間(感染しているが症状が現れるまでの期間で1~3日)にインフルエンザ患者との接触が疑わられる場合は、感染を疑っても良いでしょう。症状が辛い場合や、3日以上微熱が続く場合は病院で診察を受けることをおすすめします。
ただ、症状が軽く、比較的元気な場合は無理して病院で診察を受ける必要はなく、安静にして休むようにしましょう。
インフルエンザで熱が出ないときの理由とは?
微熱や熱がでない場合でも、インフルエンザにかかっている可能性がありますが何故なのでしょうか?インフルエンザにかかっても熱がでないのは以下の理由が考えられます。
ある程度免疫がある
インフルエンザウイルスが体内に侵入すると、免疫反応により細胞から抗体が作られますがウイルスの量が少なかったり、免疫反応の方が強力だった場合は発症せずに済む場合や、発症したとしても症状が軽くなることがあります。また、過去に同じ型のインフルエンザに感染していた場合、そのウイルス型に合った抗体が体内で作られています。細胞は記憶していて、再度同じ型のウイルスが体内に入ってくると、抗体が作られ発症しない場合や、発症しても軽く、熱がでなかったり微熱で済むことがあるのです。
風邪薬や解熱鎮痛薬を飲んだ
インフルエンザは風邪の初期症状のように鼻水やのどの痛み、咳などの症状が現れることが多い為、風邪と思って風邪薬や解熱鎮痛薬を飲んでしまうことがあります。
市販されている風邪薬には解熱鎮痛剤が含まれている為、痛みを抑え熱を下げる効果があります。その為、風邪薬が効いている間は熱がでないか微熱になっているのです。風邪薬や解熱鎮痛薬は病気を治す為のお薬ではなく、痛みや症状を緩和させる為のお薬です。
インフルエンザにかかっていることに気付かずに風邪薬を飲み続けることにより、かえって症状が長引いてしまう可能性がある為、全身のだるさや関節痛、強い頭痛などの症状がある場合は病院で診察を受けるようにしましょう。
B型インフルエンザにかかっている
インフルエンザにはA型とB型とC型とありますが、流行するのはA型とB型です。
A型は38℃以上の高熱を伴うことが多いのですが、B型は熱が出ても37℃~38℃程度にとどまることが多いようです。B型は昔はA型が流行した後の2月以降から流行することが多かったようですが、近年はA型とほとんど同時期に流行しています。インフルエンザB型にかかる際に現れる症状の特徴は下痢や吐き気など消化器系の症状です。また、A型と同じように倦怠感や筋肉痛などの全身症状もあります。
加齢で発熱機能が衰えることも
健康な身体の場合、風邪やインフルエンザにかかると発熱しますが、高齢者の場合は発熱が弱くなる傾向があります。
発熱は、病原体から身を守る為の生体防御システムです。発熱することにより、ウイルスや菌の増殖を抑えることができ、白血球などの働きが活発になり免疫機能が高めることができます。発熱することにより身体はウイルスと有利に戦える為、発熱の機能が弱い高齢者の場合はウイルスの増殖が抑えられず、重症化し肺炎を引き起こしてしまう可能性があります。
高齢者の方の場合は、熱がなくてもいつもと違って元気が無かったり、口数が少なくなったり、全身の関節痛や倦怠感を訴えることがあったら早めに病院に連れて行くようにしましょう。
予防接種を受けた
インフルエンザワクチンの予防接種は、感染しても発症を防ぐ効果や、発症しても症状の重症化を防ぐ効果はありますが、インフルエンザの感染を完全に防ぐ訳ではありません。感染しても症状が軽い場合に熱がでないか微熱で済むことがあります。
ワクチン接種の効果により、症状が軽くなっているだけですので、だるさが強かったり、関節痛、筋肉痛や頭痛がある場合は病院で診察を受けるようにしましょう。
微熱でも病院で検査を受けた方が良い?
微熱や熱がでない場合であっても、周りでインフルエンザが流行していたり、倦怠感、関節痛、筋肉痛や頭痛が強い場合はインフルエンザを発症している可能性があります。普段と少し違うと感じた場合は、風邪薬などの市販薬を服用するのは避け、自宅で安静にして過ごしましょう。
ただ、いつもより倦怠感が強かったり症状が辛い場合は微熱であっても病院で診察を受けましょう。
病院で診察を受ける際に、ウイルスに感染しているかどうかを簡易迅速キットで検査を受けることができます。検査では細い綿棒を使って鼻や喉の奥にある粘液や粘膜を拭って採取し、ウイルスの有無を調べ、およそ10分~15分程度で結果を判定することができます。
検査のタイミングは発症して12時間以上経過している頃が良いとされています。発症してすぐに病院に行って検査を受けた場合はウイルスが検査できる量まで増えていない為、検査結果が陰性になることもあります。簡易迅速キットはインフルエンザの診断に便利なものですが、感染していても陰性になるなど完全ではありません。あくまで、医師が診断するための補助的に使う検査方法です。つまり、検査を受けることが絶対に必要ではないのです。
もしも陽性だった場合や、インフルエンザ特有の症状が強く、周りでインフルエンザ患者がいるなどの状況がある場合、医師の判断で抗インフルエンザ薬が処方されることがあります。
抗インフルエンザ薬は発症して48時間以内に服用することで効果を発揮する為、微熱や熱がでない場合であってもいつもより全身がだるかったり、筋肉痛や関節痛、頭痛がある場合は早めに病院にいく方が良いでしょう。
また、インフルエンザではなく他の病気が潜んでいる可能性もあります。3日以上微熱が続く場合は他のウイルスや細菌感染症、がんやアレルギー反応、ホルモン異常などが考えられます。やはり病院で診察を受けた方が良いでしょう。
熱がでなくてもマスクと手洗い、アルコール消毒を心がけよう
微熱や熱がでない場合でも体内にインフルエンザウイルスが居る可能性がある為、周りの人に感染させてしまうリスクがあります。ウイルスの感染力が強いのは症状が現れて2~3日とされていますが、発症して5日間を経過するまでは感染力がある為、
なるべく外出を控えて安静にし、完治するまではマスク、手洗い、アルコール消毒を行い周りにうつさないよう努め、自分自身も他の病気にかからないように注意しましょう。
まとめ
熱がでない場合でもインフルエンザに感染している可能性はあります。いつもと違って全身がだるい、筋肉痛、関節痛があり、周囲にインフルエンザ感染者がいる場合は感染を疑いましょう。インフルエンザは自然に治癒する感染症ですが、体力がない小さな子供や高齢者が感染するとまれに重症化することがあります。
少しでも感染が疑わしい場合は、病院で診察を受けるようにしましょう。
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