インフルエンザの症状は高熱などが代表的ですが、熱が下がってくると咳や痰が出はじめて悩まされている方はとても多いようです。今回はインフルエンザによる咳や痰の原因とその症状を緩和させる対処法を調べてみました。
インフルエンザ時に出る咳や痰の症状
インフルエンザに感染すると、咳や痰の症状が現れることは良く見られます。しかし咳の症状が長引くと体力をとても消耗します。さらにインフルエンザの感染で免疫力が弱まっているので、気管支炎や肺炎、心不全などの重度の合併症を引き起こすことも考えられます。
また感染者が咳やくしゃみをすることで、飛沫が飛び散り感染が広がっていく可能性が考えられるので、感染者と周囲の人は必ずマスクを着用し、感染を広げないように注意が必要です。
インフルエンザ時に出る咳や痰の長引く原因
インフルエンザの初期症状の一つとして咳や痰などの症状が出ることがありますが、風邪の症状との大きな違いは、症状が「長引く」というところです。特にインフルエンザでは、熱が引いた後、咳が悪化することが多く他の症状は治ったのに、咳だけがいつまでも残っていることがあります。
インフルエンザの治りかけに咳や痰の症状が現れる原因は、ウイルスがまだ体内に潜伏しているか、ウイルスは潜伏していないが喉や鼻の粘膜にキズとしてウイルスの痕跡が残っているためだと考えられます。また、咳や痰の症状がいつまでもある場合や、胸の痛みがあらわれた場合には、他の病気を併発している可能性も考えられます。咳だけが3週間以上止まらない場合は再受診した方が良いでしょう。
咳や痰を悪化させない対処法
インフルエンザウイルスによる咳や痰の症状は、通常の咳止め薬では効果はありません。しかし放置すると悪化して治りにくくなることがあるので、咳や痰だけが長引いてつらい症状の場合は病院で診察を受け薬を処方してもらいましょう。
またインフルエンザで咳や痰の症状が辛い場合、次のような対処法で症状を和らげることができます。ぜひ試してみて下さい。
【咳を緩和させる対処法】
つらい咳を緩和させる対処法 | |
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部屋を乾燥させない | 気道が乾燥すると咳が出やすくなり痰が絡むことも、部屋の湿度は50~60%に保ちます。 またマスクを着けて喉の乾燥を防ぎます。 |
マスクをして横向きに寝る | 寝ている間の喉の乾燥を防ぐためにマスクを着けて寝る。 更に体を横向きにすることで、気道が広がり咳をする時の体への負担が減ります。 |
温かい飲み物を飲む (はちみつや生姜入りの飲み物) |
冷たいものは気管を刺激し、収縮させたりする作用があり咳が出る原因になります。 熱が出ると冷たい飲み物が欲しくなりますが、なるべく常温か温かい物を飲みます。 特に効果的な飲み物はハチミツや生姜入りの飲み物です。 |
背中を温める | 肩甲骨の間には咳や風邪の症状を抑えるツボがあります。 カイロなどを貼り背中を温めると症状を緩和させます。 |
病院で診察し処方してもらう | 咳がひどく辛い場合や、なかなか治らない時は病院で診察してもらい薬を処方してもらいましょう。 市販薬などを自己判断で服用するのは危険です。インフルエンザの場合、使用できない成分の薬があるので、 出来るだけ医師に処方してもらって服用するようにしましょう。 |
正しい咳エチケットの方法
咳エチケットの基本はマスク着用ですが、それが出来ない場合、「咳やくしゃみを素手で覆う」こともよくあります。しかしそれは残念ながら正しい咳エチケットではありません。
《マスクの着用の心得》
・マスクは自分の顔にフィットした物を選ぶ
マスクがフィットしてないと、せっかくマスクを付けていても隙間からウイルスや細菌が入る原因となります。
・1度外したマスクは使わない
マスク表面にウイルスが付いている可能性があります。外す際や付ける際はウイルスや細菌に触れないように注意が必要です。
フィットするマスクの選び方 | |
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①親指と人差し指でL字を作る ②こめかみの位置に親指、鼻の付け根から約1cm下の位置に人差し指の先がくるよう当てる ③親指から人差し指までの直径を元にサイズの選択をする |
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直径が9~11cmの場合 | 子供用サイズ |
直径が10.5~12.5cmの場合 | 小さめサイズ |
直径が12~14.5cmの場合 | 普通サイズ |
直径が14cm以上の場合 | 大きめサイズ |
《ティッシュやハンカチで抑える》
・マスクがない場合、ティッシュやハンカチで鼻や口元を抑えます。
・一度使用したティッシュはすぐにゴミ箱へ捨てる
・ハンカチも使った面は使用しないよう心掛ける
《素手で抑えない》
素手で口や鼻を覆った場合、手のひらにウイルスがこびり付いてしまいます。その手で共有の物などを触ると接触感染の原因になってしまうので、急に咳が出てしまった時などは、手のひらではなく、肘の内側などで口や鼻を覆うようにします。
【喉の痛みへの対処法】
喉がイガイガするために咳がたくさん出てしまうことが多いと思います。そんな喉の痛みを緩和させる対処法として効果的なのは「加湿器・マスク・うがい・のど飴・水分補給」などがあります。
室内の湿度調節やマスクも効果はありますが、喉の痛みに即効性があるのは「のど飴と水分補給」です!のど飴を舐めている間は、喉の痛みも和らぎます。またのど飴がないときは、水分をこまめに口に含み少しずつ飲むと少しすっきりします。
【痰への対処法】
インフルエンザが解熱して症状が良くなる際に、痰を伴う咳が続くことがあります。痰がからむ原因は、ダメージを受けた粘膜細胞とインフルエンザウイルスが一緒に外に排出されようとしているからです。痰がからむ咳が続く場合の対処法は以下のとおりです。
痰への対処法 | |
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痰は飲み込まない | 痰には、ばい菌、ホコリ、白血球の残骸が混ざっています。 痰が出て苦しくても、飲み込まずに必ず出すようにします。 |
水分を多めに摂る | 水分を摂ると痰の粘度が下がり排出しやすくなります。 喉に刺激の少ない常温の水や白湯をこまめに摂りましょう。 |
部屋を加湿する | 気道が乾燥することにより、咳が出たり痰がからみやすくなります、 部屋の湿度は50~60%にして、マスクを付けて喉の保湿が大切です。 |
仰向けになって深呼吸 | 深呼吸すると気道が膨らんで痰が取れやすくなります。 仰向けになって深呼吸をし息を3回吐き出して咳をすると効果的。 |
病院で薬をもらう | インフルエンザの場合、使用できない成分の薬があるので、 自己判断で市販薬は使用せず、医師の診断を受け薬を処方してもらう。 |
あとがき
咳や痰の症状はインフルエンザ症状の1つです。初期症状や治りかけの症状として多く現れるものなので、あまり心配する必要はありません。しかし、症状が3週間以上続く場合や、胸などに痛みがある場合には、他の病気を併発している可能性もあります。
長引いていると感じたら早めに病院で診療を受けましょう。
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