インフルエンザに感染して病院に行くと検査をして陽性反応であれば抗インフルエンザ薬とカロナールという解熱鎮痛剤が処方されます。高熱で辛い時にカロナールを飲んでも熱は下がらないという声を聞く事も多いので、インフルエンザの時にカロナールを服用して効果はどうなのか、調べてみました。
カロナールとはどんな薬?
カロナールは体温調節中枢や神経中枢に働きかけて熱を下げ痛みをやわらげる効果があります。服用してから効果がでるまで15分~60分位かかり効果の持続時間は2~6時間とされています。
ロキソニンなど他の解熱鎮痛剤を比べて副作用が少なく効果が穏やかであると言われていて安全性も高いとされています。主な副作用としては、発疹・嘔吐・食欲不振などの報告があります。重篤な副作用としては肝機能障害やアナフィラキシーショックがあるので、普段から飲酒の習慣がある人はカロナールの吹くようによる肝機能の低下に注意しましょう。
1日の使用は2回までとされていて一度カロナールを服用したら次に飲むまでは最低でも4時間はあけます。
小児科で処方されるアルピニー座薬やアンヒバ座薬の成分はアセトアミノフェンです。座薬は一度投与したら4~6時間あけます。
インフルエンザの時にカロナールを処方される理由
インフルエンザの時には使えない解熱鎮痛剤があります。アスピリン・ジクロフェナクナトリウム・メフェナム酸の鎮痛解熱剤を服用するとインフルエンザ脳症・脳炎、ライ症候群を誘発する事が分かっています。カロナールの成分はアセトアミノフェンでインフルエンザの時にも安全に使用できる事がわかっているのでカロナールが処方されます。
インフルエンザ脳症・脳炎
インフルエンザ脳症・脳炎はインフルエンザの合併症です。脳炎は脳内にインフルエンザウイルスが入り込んで炎症を起こしている状態で、脳症は脳内にインフルエンザウイルスは入っておらず、インフルエンザウイルスの強い毒性に体の免疫反応が過剰に働いてしまい炎症を起こしている状態です。脳症と脳炎の症状は似ていますが脳症の方が重篤になりやすいと言われています。
主な症状には、けいれん・異常行動・意識障害などがあります。インフルエンザで高熱がでている場合にけいれんを起こす子供は10人に1人いるとされていてほとんどが軽症ですむねっせいけいれんと呼ばれるものです。熱性けいれんと脳症・脳炎のけいれんを見分ける方法は、熱性けいれんの場合は症状が現れてから2~3分で消失し、遅くとも5分以内で終わります。5分以上続くけいれんは脳症・脳炎の可能性が高いので救急車を呼びましょう。
カロナールを飲んでも効かない時
インフルエンザの時にカロナールを処方されて服用しても効かないという人もいるようです。カロナールはインフルエンザの時にも使用できる安全性の高い薬ですが効果も穏やかで、効果が出始めるまで遅い人では60分程度かかる場合もあります。インフルエンザで高熱がでていて熱の勢いが強い時にはカロナールを飲んでも平熱まで下がる事はあまりありません。服用して60分経過した後に1℃でも下がっていればカロナールの効果はあったとみていいのです。
注意して欲しいことは服用後に熱がそれほど下がらなかったからといって時間をあけず、すぐに2回目を服用してしまうことです。いくら安全性が高い薬でも容量を守らないと血中濃度が上がり副作用の心配があります。インフルエンザで発熱するのは体がインフルエンザウイルスと戦うための防御反応でもあります。発熱しているという事はウイルスと戦っているという事なのでむやみに熱を下げるのは良くないとされています。
一般的に解熱剤を使用するタイミングは38,5℃を超えた時とされていますが、インフルエンザでは熱の他に関節痛や頭痛、喉の痛みの症状もあり、カロナールは鎮痛効果もありますから頭痛や喉の痛みで辛く、水分補給や食事がとれなかったり眠れない時には体力が落ちて回復が遅れてしまうので服用してもいいと思います。
アセトアミノフェンの次に安全なのがイブプロフェンと言われていますが、カロナールとイブプロフェンを一緒に飲むのは危険なのでやめて下さい。子供にはイブプロフェンの市販薬はありません。
ロキソニンはインフルエンザ脳症・脳炎との関係がはっきりしていません。脳症・脳炎は子供が発症するものというイメージが強いですが大人が発症する場合もあるので自己判断でロキソニンを飲むのは危険だと思います。カロナールが効かなくて辛い時は病院に行き相談した方がいいでしょう。
熱が下がらない時の対処法
カロナールを飲んでも少ししか下がらない時は水分補給をしてみます。子供の場合、高熱で急に水分不足になり解熱剤の効果がでない事もあるそうです。脱水状態になると倦怠感や吐き気も増してくるので経口補水液やスポーツドリンクなどで水分補給をします。
熱が下がらないという事はインフルエンザウイルスの活動が活発になっているので安静にして体を温めて、額を冷やすと頭痛対策にもなります。インフルエンザウイルスは高温多湿に弱いので部屋の温度は20℃以上に保ち湿度は60%位になるようにします。湿度が70%を超えてしまうとカビや結露が発生してしまうので注意して下さい。
定期的に換気をして部屋にたまっているインフルエンザウイルスを外に出しましょう。1~2時間に1回位、5~10分窓を開けて換気するといいですよ。
まとめ
インフルエンザに感染した時に解熱剤としてカロナールを飲んでも効果が無い時について調べてみました。カロナールはインフルエンザの時にも安心して服用できますが、効果が穏やかなので服用してもインフルエンザウイルスの活動が活発になっている時には効果があまり無いときもあります。
解熱剤の効果がでないくらい熱が高くなるのは2~3日くらいで終わるので安静にして家で寝ているのが一番かもしれないですね。
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